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あり方・生き方が問われるキャリア教育
 いきなり個人的な話で恐縮ですが、ここのところプライベートで落ち着けな
い問題?があり、仕事においても良いパフォーマンスを発揮できていないと感
じる日々が続いていました。タイミング良く(悪く?)新しいプロジェクトも
スタートしましたが、仕事以外に問題を抱えていたことで、当初そのプロジェ
クトに期待していたワクワク感も色あせてしまったような感じでした。
 プロフェショナルとしては、甘いのかもしれませんが、改めて仕事(オンタ
イム)とプライベート(オフタイム)は切り離せない、つながっていると実感
しました。

 よく言われることですが、キャリアの定義は狭義と広義の二つがあります。
 狭義のキャリアは「職業、職務、職位、履歴、進路」を指し、広義のキャリ
アは「生涯・個人の人生とその生き方そのもの(あり方)と、その表現法」を
指します。前者をキャリア、後者をライフ・キャリアと分けて表現するケース
もあります。
 ここ10年ぐらいでかなり変わってきましたが、もっとキャリアだけでなくラ
イフ・キャリアについて考える、「働き方」だけでなく「あり方・生き方」に
ついて考える機会が必要だと言えます。

 時代と共にキャリア教育も低年齢化してますが、広義のキャリアについて考
える機会は、まだまだ少ないように感じます。「将来どんな仕事したいか?」、
ビジョンやイメージを描くことは勿論大切なことですが、一人一人が自らの言
葉で「こうありたい、こう生きたい」と表現できる、行動できる状態になると
もっと幹が太くなるように感じます。

 「こうありたい、こう生きたい」ということに答えはなく、難しいテーマで
もあります。一度答えを出したら終わりと言うことではなく、年齢を重ねると
共にライフ・キャリアのテーマ・課題も絶えず変化するため、継続的に取り組
む必要があります。

 これまで学校教育・社会人教育・職業教育等、それぞれのプロセスにおいて
様々なトレーニング手法が開発されてきました。技術革新と共にトレーニング
手法の開発スピードもどんどん向上しているように感じます。しかし、著しく
進んでいるのは、「知識・スキル」を学ぶ領域が中心で、「あり方・生き方」
を問うような領域は、まだこれからです。現在・将来の労働環境や雇用環境を
考えると、企業だけの課題ではなく、もっと大きなレベルで取り組むべきテー
マになると予測されます。


             (2011/10/10 人材開発メールニュース第649号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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