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現状維持に対する挑戦
 先週FBLA(福岡ビジネスリーダーズアカデミー)特別講座を開催しました。
 今回の特別講座は、「アントレプレナーシップ〜新しい価値創造のキーワー
ド」というテーマで実施しました。アントレプレナーシップを『現状維持に対
する挑戦』と位置づけ、起業や起業家に関係なく誰にでも必要な「チャンスを
見つけ・チャレンジする」ためのフレームワークを学んでいただくことをねら
いに開催しました。

 いくつか紹介したフレームワークの一つに、ジェフリー・A・ティモンズの
「起業プロセス」があります。起業プロセスの三要素として「機会」「資源」
「チーム」を取り上げ、既存事業であれ新規事業であれ、事業を成長させるた
めには、各要素のバランスをいかにして取っていくかがポイントになります。
バランスを取ると言うのは、各要素を比較して大きなところから小さなところ
へ振り分けるようなイメージでしょうか。例えば、これから創業と言う場面で
は、機会(アイデア)はあるものの資源とチームが限られているためどのよう
に補完するかを考える必要があります。逆に?大企業では、豊富な資源をどう
機会とチームに振り分けるかを考えることも必要です。

 人材開発の現場では頻繁に「強みを活かせ」と言われます。確かに強みを活
かすことは大事ですが、本来的な意味は「強みを活かして弱みを補完する」こ
とです。強みだけに焦点を当て弱みを無視していると、結局弱い部分がボトル
ネックになってしまい、それ以上の成長が望めないということもあります。強
みを活かすと弱みを補完するというのは、二者択一的な観点でなく、全体観・
バランス感覚に富んだ視点が必要だと言えます。

 しかし、実際の現場では、「強みを活かそう」と言うと「弱みは?」、逆に
「弱みを補完しよう」と言うと「強みは?」と反発する力がかかることも多い
と言えます。大切なのは、ただ単にアイデアを述べているだけでなく、反発も
含め行動が起きること、起こすことです。刺激を与え、反応を繰り返すことで、
地道ではありますが、新しい力が生まれているのではないでしょうか。


             (2011/09/12 人材開発メールニュース第645号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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