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顧客・市場の掘り起こし…量から質へ
 いきなり個人的な話題で恐縮ですが、ここ二週間立て続けに、中国(上海)、
韓国(ソウル)に行く機会がありました。震災以降、暗い話題が多い日本に比
べると、感覚的なものでありますが、やっぱり海外は勢いを感じます。

 その一方で、改めて日本の良さも体感することもできました。良く言われる
ことですが、サービス・おもてなしの感覚は、やはり日本独自のものがあると
言えます。また生活インフラ(電気・水道・通信など)についても、日本の方
が整備が進んでいると感じます。日頃気付かない細かい話ですが、道路一つに
しても、歩き易さ、ちょっとした勾配も含め、ハード・ソフト共に日本では、
かなり配慮されていると感じました。

 また同時に、満たされた中で生活していると、見えなかったり、気付かなか
ったりしていることも増えているように思われます。“満たされている”こと
に改めて気付くことも必要ですし、また“満たされていることが当たり前”の
顧客・市場が存在するということも考慮する必要があります。

 事業を推進するための組織作りや人づくりをお手伝いする中で、年々顧客・
市場づくりの重要性が増しています。新商品・新製品を開発することも、当然
大切なことですが、効果的な新商品・新製品を投入していくためにも、顧客・
市場をどう捉えるかが大きなテーマになっています。
 例えば、前述のように“満たされていることに感謝する顧客”“満たされて
いることが当然の顧客”どちらをターゲットにするかによって、大きく変わっ
てきます。

 人材開発の分野においても、ただ単にどんな採用・研修を実施するかを検討
するだけでなく、顧客・市場から人材開発テーマを導き出す企業も増えていま
す(実際は二極分化している感じです)。採用や研修といった個別プログラム
を検討される際にも、前提条件として、顧客・市場の動向を大きな紙に書き出
しておくだけでも議論の質が変わってきます。
 様々な分野で顧客・市場を掘り起こすといった話題も良く聞きますが、量的
と言うよりも質的な掘り起しが求められているように感じます。そのためには、
もう一度、顧客・市場をしっかり観ることが何よりも大事です。見ていない、
見えていないことがたくさんあり、それがビジネスチャンスにつながるのでは
ないでしょうか?


             (2011/06/13 人材開発メールニュース第633号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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