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継続のエンジンは、やる気の維持
 何事でもそうですが、継続する・やり続けることは価値のあることだと言え
ます。しかしその一方で、継続する・やり続けることは、難しいという話も良
く耳にします。

 やり続けることを、少し分解して考えると、実際にやる(行動する)と言う
観点とやる気(意識・意欲)の二つの観点に分けることもできます。

 続かない現場?では、意外と「やる気」を続けるということにあまり関心を
持たれていません。やり続けるためには、当然ながらやる気が維持されている
ことが前提となります。またそういう現場では、やる気(モチベーション)を
「どう上げるか」には関心が高いが、「どう維持するか」には、注力していな
いケースが多いようです。
 至ってシンプルですが、やる気を継続させる・維持する(上げないまでも落
とさない)ことを考えることは大切なことです。どう上げるかにコスト(時間・
お金など経営資源)をかけるよりも、維持することにコストをかけた方が生産
性が高くなることはよくあることです。

 やる気を維持する代表的な方法の一つとして、やった(できた・終わった)
ことを“見える化”することが挙げられます。個人レベルだけでなく組織レベ
ルでも、どんなに小さなことでも構わないので、今日進んだことを明確にする
方法は有効です。

 日々の反省と言うと、どうしても今日できなかったこと、終わらなかったこ
とが中心になったりします。先行きが不透明な時代・環境においては、様々な
要因が複雑に絡み合い、できない、終わらないことが膨れ上がり、その原因究
明・問題解決にも時間がかかることもあります。そうすると、やっぱりモチベ
ーションの維持が難しくなります。一つの組織(一人)のモチベーションの悪
化が連鎖的に拡大していくことが最悪のシナリオだと言えます。

 不確実だと言われる時代にリスクを管理するためには、精神的に「頑張れ」
と声をかけるよりも、どこまでできたか、進んだかをしっかり見せることが必
要です。不確実だからこそ、日々ほんの少しでも着実に進んでいることが実感
できるような組織作りをすることが、これからのリーダーに求められる大きな
役割の一つではないでしょうか。


             (2011/05/16 人材開発メールニュース第629号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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