Back Number

東北がんばれ、石巻がんばれ、日本がんばれ!(2)
 東北地方太平洋沖地震により、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り
申し上げますと共に、被災された皆様、そのご家族に、心よりお見舞いを申し
上げます。一日も早い復旧とご無事を心よりお祈り申し上げます。

 その日、3月11日(金)、私はあるセミナーに招待されて品川区大崎にいた。
大手企業の立派なビルの3階で、大きな衝撃を受けて立ち尽くし狼狽える。ま
るで映画の世界のような大津波の映像をワンセグで見ながら、これから起こる
であろう恐怖に震撼する。本当に恐かった。

 セミナーは当然中止になり、私は私鉄沿線に住んでいるので、とにかく私鉄
の駅に向かうべく歩き始める。この時点で、なぜかJRには期待しなかった。虫
の知らせか、目についたコンビニでパン一つ、おにぎり二つ、ペット飲料一本、
ビスケット一袋、アメを二つ購入、カバンに詰めこむ。目についた銀行で10万
円下ろす。いざとなれば金!という予感。

 16時30分スタート、大崎−五反田−目黒と山手線に沿って黙々と歩く。途中、
徒歩で帰宅を急ぐ人たち、大手企業なのか、ヘルメットをかぶったOLの方や学
生とすれ違う。恵比寿−渋谷と進と人の数は格段に増え、駅前はバスやタクシ
ー待ちの長蛇の列。この時点で18時。暗くなってきた。

 私鉄に乗れる代々木上原に向かう。途中、新宿に行くか悩み、加えて道に迷
い、うろうろし時間を費やす。できるだけ線路に沿って歩いていたがうまくは
いかない。

 途中、コンビニに寄ると食料系は売り切れ、我ながらの感の良さ?にホッと
し代々木手前の公園で買ったものをほおばる。そして、また歩き始める。この
間、自宅との携帯はつながらず、1時間に1回程度まとめてメールが機能する。
家族は全員無事、勇気づけられて前に進む。

 そして、取りあえずの目的地・代々木上原着。21時30分、ほぼ5時間、歩い
てきたことになる。ここで居酒屋に入って一息、このときなぜだか、23時過ぎ
に電車が動く予感がしていた。酒で勢いをつけ、駅に行く。多くの人が改札付
近でしゃがみ込んでいる。途中で、近くの消防学校が開放され、泊まれるとの
アナウンス、3割くらいの人が電車を諦めて移動。しかし、私には動く予感が
あったので留まる。

 そして、23時45分、24時から電車が動く旨の告知あり。駅全体に活力が漲る。
それもこの駅が始発。ホームに上がり待望の電車に座る。24時予定通り動き出
し、そこから約1時間電車に揺られ、最寄り駅へ。深夜2時、家にたどりつく。
こうして初めての帰宅難民体験?が終わる。

 でも、その後の報道や状況を見ればわかるように、私の体験など話にならな
いほどの惨劇、悲劇に遭遇した人たちの多いことか。
 がんばれ石巻、がんばれ東北。がんばれ日本、がんばろう日本人!


             (2011/04/18 人材開発メールニュース第626号掲載)


Go to Back Number Index
Go to Top Page