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ジョブ・カード講習の現場から
 縁あって、ジョブ・カード制度が始まった時から、ジョブ・カード講習のお
手伝いをさせていただいております。スタート時の目標からすれば、まだまだ
順調に推移しているとは言えませんが、閣議決定された新成長戦略の中でも、
2020年までにジョブ・カード取得者を300万人という目標が掲げられたことも
あり、その推進役となる登録キャリア・コンサルタントの育成も急務になって
おります。

 <参考>厚生労働省 ジョブ・カード制度のご案内
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/nouryoku/job_card01/index.html

 現場で活躍するキャリア・コンサルタントの方々からお話を伺うと、最も頭
を悩ますのは、様式5<キャリアシート>への特記事項の記述のようです。い
くつか記入すべき項目はありますが、一番最初の「キャリア形成上の課題、支
援のポイント」という箇所で、まず悩むと言う話もよく聞きます。

 キャリア形成上の課題、支援のポイントは、「本人が就業するにあたって解
決すべき問題」を中心に記入することになっています。ジョブ・カードに限っ
たことではありませんが、若年者(第二新卒やフリーターの方々)の就職支援
の現場においては、就業にあたっての“問題”と言うと、「考え方、姿勢、態
度」などの話題に集中してしまうこともあるようです。

 確かに、これから就業するために「考え方、姿勢、態度」について改めるべ
き点はあるかもしれません。しかし、年代に関係なく「考え方、姿勢、態度」
を変えろと言われても…そう簡単なことではないと言えます(勿論、例外の方
もいらっしゃると思いますが)。もっと大切なことは、どうすれば「考え方、
姿勢、態度」が変わるか、変え易いかを追求することだと言えます。そのため
には、“知識や技能”にフォーカスする方法も一つの方法です。現時点で身に
付けることが望ましい「知識・技能」を一緒に話し合って明確にし、まずは取
り組んでみることは大切なことです。

 個人的な考え方ですが、知識や技能を身に付け、自信が持てれば、考え方・
姿勢・態度も変わると思っています。特に若年者に必要なことは、自信の回復
ではないでしょうか。○○については知っている、できるという自信が、考え
方・姿勢・態度を変容させるエンジンになると考えています。

 ジョブ・カードに限らず、人材育成の現場で「考え方・姿勢・態度」が問題
視されることも少なくありません。「考え方・姿勢・態度」が悪いと決め付け
てしまうと、そこから進めなくなることもよくあります。「考え方(姿勢・態
度)が悪い」ではなく、「考え方(姿勢・態度)を変えるためにはどうすれば
いいか」という議論がもっともっと必要ですね。
 皆さんの周りではいかがですか?


             (2010/09/27 人材開発メールニュース第598号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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