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変わらないものと変わり続けるもの
 先日、久しぶりに当コラムのバックナンバーのアクセス解析を見る機会があ
りました。日頃は、ほとんど活用していませんが、久しぶりに見ると不思議な
ことに気がつきました。それは、比較的アクセスいただいているコラムをチェ
ックすると、直近のものと10年ぐらい前のものが多かったことです。推測です
が、リーマンショック以降の人材開発の現場は、10年ぐらい前(バブル崩壊後
の就職氷河期)にコラムに記載していた単語やキーワードと重なる部分が多か
ったのかもしれません。

 いつの時代においても変化を機敏に読み取り、適応することは大切なことだ
と言えます。もっと言えば、柔軟に環境変化に適応する部分と普遍的に変わら
ない部分と両者を併せ持つ必要があると言えます。

 話は変わりますが、今年の採用において、買い手市場だと言われながら、満
足な採用ができなかったという話も増えているようです。全般的には、買い手
市場だったのかもしれませんが、自社に必要な人材という観点では、売り手市
場だったのかもしれません。

 採用が上手く行っている組織ほど、市場の分析(変化への適応)よりも自社
に必要な人材(普遍性の追求)という議論を繰り返しています。自社に必要な
人材も時代と共に変化すると言えますが、絶えず必要な人材を追求するという
行動・姿勢には、普遍性があると言えます。

 人材開発分野でも流行り廃りはあります。しかし、変化が読み難い状況であ
ればあるほど、土台となる普遍的なもの(例:理念・方針)が必要だと言えま
す。ただ単に一般的な流行(例:他社事例)を追いかけるだけでは、環境変化
に振り回されるだけになりかねません。自社の人材開発において普遍的なもの
は何か?変わらないものと変わり続けるものを整理することも必要ではないで
しょうか。


             (2010/08/30 人材開発メールニュース第594号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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