Back Number 目標設定におけるわかりやすさ 目標管理制度などを導入している場合、目標をどう設定するかは大きなテー マです。言うまでもありませんが、個人・組織の成長を促すためには、適切な 目標設定が必要になります。目標設定時に、いかにして目標を具体的にするか、 人材開発の現場でよく聞くテーマでもあります。 目標設定を具体的・明確にするための方法として、「SMART」という有名な モデルがあります。ご存知の方も多いかと思われますが、下記の頭文字をとっ たものです。 Specific =テーマ・表現は具体的か? Measurable =定量的に測定可能か? Achievable =現実的に達成可能か? Relevant =理念・方針と関連しているか? Time-bound =期限が設定されているか? ちなみにA、R、Tについては、様々な読み替え(例:R→Result-oriented、 Realistic、等)があります。 もう少しベタ?な方法として、目標を書き出した時に、単語(品詞)レベル でチェックする方法もあります。特に、形容動詞・形容詞・副詞に関しては、 それを取り除くことができないか?とチェックする方法があります。日本語の 特徴かどうかわかりませんが、特に形容動詞が目標の中に組み込まれていると、 曖昧になるケースが多いようです。 例)一生懸命に、継続的に、積極的に、など 逆に言えば、基本形は名詞+動詞が一番わかりやすい形です。勿論、それだ けで全てが表現できるわけではありませんが、目標が具体的では無いと感じた 場合は、原点である名詞+動詞「何をどうする」に戻って、上記のSMARTモデ ルなどでレベルを追記して行くとわかりやすくなります。 目標を具体的にする方法論も勿論大切ですが、個人・組織が共に成長するた めには、目標設定の基本的な考え方を再確認する必要もあります。職場で設定 される目標は、組織から個人に「こうなって欲しい」という“期待”と、個人 の「こうなりたい、こうしたい」という“意志”が結び付く内容であることが 必要です。目標設定の方法等、ノウハウが増えれば増えるほど、本来の趣旨が 置き去りにされていることもあるようです。 わかりやすい目標を設定した上で、再度組織からの期待と本人の意思が共有 されているかを確認することで、個人と組織、お互いが共に成長を目指せる目 標になると言えます。 (2010/07/12 人材開発メールニュース第588号掲載) humanize:吉次 潤 Go to Back Number Index Go to Top Page |