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実力どのくらい発揮してますか?
 前回の「ワンポイント・アドバイス」で、組織・職場の雰囲気を良くするた
めには、目標・課題を明確にした方が良いという内容を書きました。その続き
のような感じですが、職場の現状を把握する簡単なチェック方法があります。

 まず、組織のメンバーの方に「あなたは、現在自分の実力を何%ぐらい発揮
できていると感じますか?」と質問し、適当な数値を記入していただきます。
同じように組織の長の方に「あなたの組織のメンバーは、実力の何%ぐらい発
揮していると感じますか?」と質問し、同じように記入していただきます。

 上記の質問で、メンバーの方々が回答した数値をA、組織の長の方が回答し
た数値をBとすると、A>B、A<Bなどの傾向が出てきます。全てではあり
ませんが、中小・中堅企業で、業績が良くない・伸び悩んでいる組織は、どち
らかと言えばA<Bという回答が多く出てきます。メンバーの方々の回答数値
は全般的に低いが、組織の長の方は、それほど低く付けていない状態です。
 組織の長(トップ)の方々は、うちのメンバーは頑張っていると評価してい
るが、実はメンバーの方々は、実力を出せていない、出し切っていないと感じ
ているケースは結構あります。
 逆のA>Bの場合は、メンバーは実力を発揮していると思っていても、トッ
プは「まだまだと…」考えている組織では、次から次へと高い要求が掲げられ
ることが多く、結果として組織に活力がある(止まっていられない?)感じで
しょうか。

 いずれにしても、組織・職場のメンバーの方々が、実力を発揮していない、
まだできるのに…という気持ちになっているのは、勿体無いことです。意欲・
やる気と言われるものは、発揮するタイミングを失うと、自然と減少していき
ます。発揮していないと回答したメンバーの方に、ヒアリングすると、よく出
てくる言葉は「具体的にどうすればいいかわかない」というのが圧倒的に多い
状況です。

 組織・職場に元気・活気が無いと言われることもありますが、意欲・やる気
そのものが無いというよりも、発揮の仕方がわからないというケースの方が多
いような気がします。課題・目標を整理する、優先順位を見直すだけでも、行
動・成果が大きく変わる、変える可能性は、まだ大いにあると言えます。
 皆さんの周りでは、いかがですか?


             (2010/06/28 人材開発メールニュース第586号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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