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生きる力を高めるキャリア教育の必要性
 少し前になりますが、「平成21年度キャリア・コンサルティング研究会報告
書」が発表されました。今回の報告書では、大きく分けると下記の3つの項目
について、調査・研究、検討結果が発表されています。

 1.キャリア教育においてキャリア・コンサルタント等が果たすべき役割
 2.ジョブ・カードを活用したキャリア・コンサルティングのあり方について
 3.業種・職種専門キャリア・コンサルタントの必要性について

 ※平成21年度キャリア・コンサルティング研究会報告書
 → http://www.javada.or.jp/topics/consulting/2010/index.html

 年々、若年層への「キャリア教育」展開が必要だと言う声が高まっています。
また、個人的な感覚ですが、報告書の中に「生き方」という言葉が少しずつ増
えているような印象を受けます(本当に少しずつですが…)。

 キャリアと言うと、どうしても「働き方」という印象を持ちますが、根底に
あるのは、「生き方」だと言えます。どんな仕事・職業・働き方をしたいか?
どれも大事なことですが、最終的には、その結果どんな生き方をしたいか?と
言うことに繋がっていきます。

 少し話は変わりますが、就職難と言われる現在、大学においても様々なキャ
リア教育が行われています。キャリア教育の捉え方も様々で、受験対策のよう
に就職対策に力を入れている大学もあれば、もう少し長いスパンで前述の「生
き方」にウエイトを移そうとしているような大学もあるようです。

 全てがそうだととは言えませんが、就職対策・ノウハウを中心にやっている
大学(生)は、ミスマッチが多いように感じます。確かにノウハウを利用した
方が就職活動には、便利なのかもしれませんが、企業側が求めている自立した・
主体的な人材とは、やはりイメージが異なってしまいます。また、就職した場
合でも、社会人生活が進むにつれ、自分の選択に疑問を持つ人材が多いように
感じます。厳しい時代と言われながら、早期離職にあまり歯止めがかからない
のは、就職がゴールになっているからかもしれません。

 企業や社会が活力を持つためには、生き生きと働く“ヒト”の存在が必要不
可欠です。「自らの生き方」を追求したり、楽しんだりできる人をどれだけ生
み出せるかが重要になると考えられます。今後益々生きる力を高める・生命力
を高めるキャリア教育が、必要になるのではないでしょうか?


             (2010/05/17 人材開発メールニュース第580号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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