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新卒採用に様々な部門・人を投入する
 少しずつ景気が回復基調にあると言う話題も増えているようですが、皆さん
の周りではいかがでしょうか?

 新卒採用も全般的には厳しい話題が多いようですが、中には積極的な採用を
しかける企業もあり、二極化しているようです。私もいくつか新卒採用をお手
伝いしておりますが、最近はできるだけ人事部門だけではなく、様々な部門の
方々に関わっていただくような方法を提案しています。

 例えば、会社説明会や面接など選考について関わっていただく方法もありま
すが、お薦めしているのは、選考を実施するための「評価項目」や「評価基準」
を作るプロセスに関わっていただく方法です。

 評価項目づくりとは、求める人材像を明確化した上で、選考プロセスにおい
てどのような項目で選考するのかを決める作業です。代表的なものとしては、
主体性や行動力や柔軟性などが挙げられます。具体的な作業としては、評価項
目を選び、意味づけを行います。意味づけとは、「わが社で言う主体性とは…」
と言う感じで、ただ単に項目を選ぶだけでなく、企業(組織)ごとのイメージ
を明言化する作業になります。

 評価基準づくりとは、選考する際に上記の評価項目ごとに3〜5段階(例えば、
ABCで評価する)などで評価することが多いと思われますが、それぞれAは
このレベル、Bはこのレベル、Cはこのレベルと言った感じで、各基準のイメ
ージを明らかにしていく作業です。

 よく面接官の評価にバラつきがあるという悩みを聞くこともありますが、評
価項目と評価基準を整理・共有化することで、かなりバラつきを抑えることも
可能です。

 評価項目や評価基準を作るプロセスにできるだけ社内のメンバーに関わって
いただくのは、新卒の選考基準を作ることを通して、現在自社で必要とされて
いる人材(像)・能力を整理したり共有する機会になるためです。プロジェク
ト的に立ち上げ、ミーティングを重ねる中で、改めてこれから必要な人材(像)
・能力が明確になっていきます。また、集まったメンバーが各現場に持ち帰っ
て、その内容を広めていただくと会社が求めている人材(像)や能力を浸透・
徹底することも期待できます。

 新卒採用に限ったことではありませんが、社内の多くの方に採用に参加いた
だくことで、採用力を上げるだけでなく、組織の活性化につながる可能性があ
ると言えます。確かに人事部門だけで作業を進める方が、専門的・効率的なの
かもしれませんが、勿体無いのではないでしょうか。


             (2010/03/29 人材開発メールニュース第574号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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