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多面的・多角的な視点
 3月は、卒業シーズンです。個人的な話題で恐縮ですが、我が家も小学校・
中学校ダブル卒業で、慌しい感じです。この一年間日曜日は、ほとんど子供の
ミニバスのために?過ごしておりました。ここ一年と言うより、ここ数年は、
朝早く起きて練習や試合への行き来をするのが日曜日の日課でした。それなり
に強いチームに成長したこともあり、他県への遠征も増え、おかげで沖縄を除
く九州全県を隈なく回りました。4月から日課がなくなるのは、嬉しいような
寂しいような不思議な感じです。

 バスケットに関しては素人の私も、長い期間練習や試合を見続けることで、
少しずつ面白さがわかるようになりました。この一年だけでも約160試合、通
算ではどれだけ観戦したか覚えていませんが、試合を観戦する方法としては、
コートサイドで観る、または二階から観る方法があります。

 コートサイドで観るのは、横から(近くで)観るため、選手の表情や息遣い
もわかります。大袈裟に言えば、気持ちも見ることができる感じです。一方、
二階から観るのは、上から(全体的に)観るため、チームとしての動きがよく
わかります。チームとしての約束事を、忠実に守っているのもわかれば、その
逆もよくわかります。個人レベルでは、上手い選手、特にパスを出したり、受
けるのが上手い選手は、上から観ていると一目瞭然ですね。

 同じ試合でも、後でビデオ等で違う角度から見ると、新たな発見があります。
上(全体的)からではわからなかったことが、横(近く)ではわかったり、勿
論その逆もあります。

 ビジネスの現場でも同じことが言えます。上からだけでは、現場の感覚・感
情がわからなかったり、逆に現場だけ見てると、大きな流れに気づかなかった
り、よくあることです。
 マクロとミクロ、全体観と部分観、鳥の目と虫の目、色んな例えがあります
が、やはり両方の視点が必要だと言えます。個人レベルでも組織レベルでも、
どちらかに偏っていると感じた時に、柔軟に異なる視点で見ることは大切なこ
とです。全てを一人でやるのではなく、一人では難しいと感じれば、他の人の
視点を利用する、誰かに相談することで補うことも可能です。
 要は多面的・多角的に物事を見るという意識を持ち、その手段を準備したり、
使いこなすことが必要だと言えます。

 バスケに限らず、他の競技でも上手い選手は、フィールドでプレーしながら、
上から(全体的に)見ている感覚を持っているような印象を受けます。日々現
場の第一線で活躍している若い世代や最近指導力低下が指摘されている「初め
て部下を持つ世代」の方々は、もう少し全体観を意識すると、もっと仕事の深
みが見えてくるのではないでしょうか。


             (2010/03/15 人材開発メールニュース第572号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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