人材開発に関する積極的な話題が少ない中、比較的積極的な話題になるもの
として「次世代リーダーの育成」というテーマがあります。弊社も新たなサー
ビスをスタートいたしますが、リーダー育成に関する関心は相変わらず高いと
感じています。

　しかし、様々な方と「次世代リーダー育成」について会話をする際に、時々
噛み合っていない、双方がズレているような印象を受けることもあります。恐
らくその理由として挙げられるのは、「次世代（次代）」の捉え方のような気
がします。
　少し意地悪な言い方をすれば、リーダーの育成論や育成法については議論さ
れているものの、次世代（次代）については、あまり議論がされていない、そ
ういうケースも多いようです。

　そもそも、次世代（次代）をどういうスパンで考えるか？、10年・20年・30
年…世の中はどのように変化しているのか？、その時自社はどういう姿である
べきか（ありたいか）？等、当然、次世代（次代）をどう捉えるかによって、
リーダー像や育成法も変わってきます。

　今の環境もそうですが、誰も次世代（次代）がどうなるかという正解を持っ
ているわけではありません。企業・組織の置かれている状況によっても見え方、
捉え方は異なっているように思えます。もしかしたら次世代（次代）を描ける
ようなリーダーを育成したいと考えているのかもしれません。逆説的ですが、
見えてないからこそ、もっと自由に描いてもいいのでは、もっと個々（企業・
組織）の独自性が反映されてもいいのでは…と個人的には考えています。

　リーダー育成に限ったことではありませんが、目的・目標が明確でないと、
どういう方法が効果的・効率的か、判断するのは難しいと言えます。リーダー
育成熱が高まれば高まるほど、次世代（次代）や次世代（次代）のリーダー像
についても、議論を深めていくことも必要ではないでしょうか。


 　　　　　　　　　　　　（2010/02/15 人材開発メールニュース第568号掲載）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　humanize：吉次　潤