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再認識される価値観と人材開発
 今年最後のワンポイント・アドバイスです。読者の皆さんにとって、どんな
1年だったでしょうか?

 混沌とする中、言い古されたような気もしますが、不況という言葉が重くの
しかかった一年だったような気がします。ビジネスの場面においても、削減さ
れたり、変更されたり、先送りされたり、そういう話題が多かったような気が
します。

 逆に厳しい環境だったおかげ?で、削られたり、減らされたり、変更された
り、様々なものが洗い流される中で、新たに見えてきたものもあるように思え
ます。本当に必要なもの、大事にしているもの、守らなければいけないもの…
そういうものを再認識する機会が多かったのではないでしょうか。

 再認識することで結束が固まる組織もあれば、逆にバラバラになる組織もあ
ります。継続的に成長している組織は、価値観が共有されていることが多いと
感じます。理念・方針に基づいて全員が同じ方向に向かっている…という感じ
でしょうか。逆に、トップと現場の言行にギャップがある組織は、顧客・市場
の購買意欲・行動が慎重になればなるほど、受け入れてもらえない状況になっ
ています。

 再認識した新たな価値観をどう受け止めるかは、それぞれ異なりますが、社
内がバラバラであれば、社外への対応が上手くいかないのは言うまでもありま
せん。不況ということで、外部環境にどう対応するかが注目されていますが、
むしろ必要以上に社内環境が悪くなっているため、結果として市場・顧客に対
応できていない組織も多いと言えます。

 混沌とした時代であればあるほど、拠り所を保有している人・組織が強いの
は言うまでもありません。“これを実現する”といった明確な価値観・想いを、
社内外にどう浸透させていくかが重要になります。価値観・想いを浸透させる
人材開発の役割・期待は益々高まっていくと言えます。同時に、組織における
人材開発そのものの価値観、あり方も問われていると考えられます。
 組織、組織を構成するメンバーに拠り所を提供できるような人材開発を展開
していきたいですね。

 今年一年お付き合いいただきありがとうございました。今後ともご愛顧の程、
よろしくお願いいたします。良いお年をお迎えください。


             (2009/12/28 人材開発メールニュース第562号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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