Back Number 見直すことへの抵抗 最近、業務改善に関する相談をいただく機会が増えています。相談されるケ ースに共通するのは、業績が伸び悩む中で、多忙な部署(人)とそうでない部 署(人)の二極分化が激しくなっていることが挙げられます。二極化している 内容や要因を見直すことで体制を再構築したいという話が増えています。併せ て、現下の環境においては、安易に外部から人を補充することも難しいため、 現在保有している人的資源・資産をどう活用するかがより重視されているよう です。 当たり前ですが、多忙な部署(人)とそうでない部署(人)の二極化が進む と、社内の雰囲気が悪くなる、モラルが下がる傾向が強くなります。それぞれ に言い分はありますが、全員で市場にどう対応するかに注力すべき時に、お互 いを牽制するような事に力が使われていると、組織のパフォーマンスが上がる ことは期待できません。 業務の見直しについては、様々なやり方がありますが、単一組織内において は、一つ一つの業務を洗い出し、将来的なことも含め必要か否かを検討してい く形で進められます。また複数の組織間においては、重なっている業務や似て いる業務を集約することを検討するのが一般的です。いずれにしても、発想と してはゼロベースで考える=業務を失くしたらどうなるかという仮説の下で検 討することが必要になります。 また、相談を受ける中で改めて気づいたことがあるのですが、前述のような 二極化が激しい組織ほど、“見直す”ということに抵抗が強いようです。見直 すという話題が出ただけで、現場から抵抗感を感じることがあります。まだ見 直しすることも決まっていない、スタートもしていないのに、既に抵抗してい る感じでしょうか。組織の風土は本当に様々です。 しかし、最初から抵抗感が強い組織が存在するわけではなく、時間の経過と ともに徐々に積もって強固になっていると言えます。抵抗が強くなればなるほ ど、改善が進まないことは言うまでもありません。積もり積もって強固になる 前に、手を打つ必要があると言えます。 「見直すことが普通、当たり前の組織(人)」と「見直すことが特別・異例 の組織(人)」と異なるカルチャーがある場合は、混ぜてみるのも一つの方法 です。組織の活力を維持するためには、絶えず固まっている、固まりそうなと ころがないかを探す努力が必要だと言えます。 読者の皆さんの職場は、いかがですか? (2009/11/02 人材開発メールニュース第554号掲載) humanize:吉次 潤 Go to Back Number Index Go to Top Page |