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2011年卒・就職戦線スタート
 このコラムで書くのも毎度毎度となった学生向け就活支援の仕事が今年も始
まった。定期的に授業形式で通っている大学は2校あり、東海地方と東北・青
森県になる。

 ご存じのように、東海地方は08年春先までは我が世の春を行くが如く、トヨ
タ自動車を筆頭に自動車関連・輸出関連が絶好調、就職温暖化の恩恵をサンサ
ンと浴びていたのに、一転、世界大不況の如き経済の沈滞で一気に奈落の底に
たたき落とされたような大波小波、ジェットコースター的浮き沈みをこの2〜3
年で目の当たりにしての希有な空気の真っ只中にいた。

 反対に、青森は沖縄と並ぶ高失業率、低就職率は恒常的で、多少の恩恵はあ
ったのかもしれないが、私が同大学に通って既に8年を経過するが、一度たり
とも「好調」「売り手」「温暖化」に浴したことはなく、これまた常に“厳し
い”と言い続けている希有な状態の地域でもある。従って、3年生の秋くらい
から事前のガイダンスを始めるのだが、言うことは常に同じ、「地元では就職
は厳しい」「東京とはいわないが、仙台までは視野を広げろ」であり、何度も
繰り返し訴求して刷り込んでいく日々である。

 折しも、全国的な失業率は5.5%の危険水域を一気に超え(7月)、年末にか
けて希望退職も数多く予定され、新卒云々言う前に雇用そのものがバブル経済
崩壊後の混乱を彷彿させる状態で、その勢いが衰えないのが怖い。まだまだ感
がたっぷりある。

 そんな中で、2011年入社組の就活が始まる。厳しさを感じて就活に乗り出す
学生が以前にも増して増えている感じがするが、実際に準備−活動をしていく
と“就活格差”というか、学生間格差が気の遠くなるほど広がっているのが手
に取るようにわかる。

 それでも、私は多くの学生の就活の道標、転ばぬ先の杖、そして厳しいこと
を言う憎まれ役…さまざまな顔で学生たちの支援という役割使命に邁進してい
かなければならない。


             (2009/10/26 人材開発メールニュース第553号掲載)


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