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レーティングとランキング
 人事に限ったことでありませんが、何かを評価する場面でレーティング(位
置付け)とランキング(順位付け)という2つの考え方があります。

 しかし、実際のビジネスの現場においては、混同されることが多いのも事実
です。特に評価・考課の場面においては、レーティングしているのかランキン
グしているのか、はっきりしていないため、それが原因となって葛藤が発生す
ることは多々あります。例えば、評価する側はレーティングしているつもりな
のに、評価される側はランキングされているように感じるたり、最初は、レー
ティングの作業をしていたのに、いつのまにかランキングに変わっている…よ
くあることですね。

 レーティングとランキングどちらが良いということではなく、目的に応じて
わかりやすい、理解しやすい方法があります。どちらの物差しを使用するかを
はっきりさせる、確認しあうことが大切です。

 業績が停滞すると必ず評価に注目が集まります。評価が、個々のモチベーシ
ョンや組織のモラルに影響を及ぼすことは言うまでもありません。特に物差し
の勘違い?で、必要以上にモチベーションやモラルを下げている組織もたくさ
ん存在します。

 組織の中で、評価に関してナーバスになっている雰囲気を感じたときには、
どちらの物差しを使うべきか、使っているかをまず確認することをお薦めしま
す。思っている以上に、自分の理解と他者の理解は異なっています。物差しが
違っている限り、公平な評価に近づくことができません。ちょっとした意識の
違いで、モチベーションやモラルは大きく変化します。ちょっとした違いを早
期に発見・解決できる組織が健全な組織と言えるのではないでしょうか。


             (2009/08/10 人材開発メールニュース第543号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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