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最近の専門学校について−その1
 私は昔から専門学校業界との関係が深く、これまで専門学校での授業を想定
したテキストや教材開発(純粋な勉強だけでなく就活対策や含む)、を6テー
マほど手がけてきた。現在も、脳の目標達成機能を利用した潜在能力開発の教
材の開発に関わっている。教材やテキスト開発に伴って、カリキュラムや教材
内容の説明会、専門学校の教職員対象の研修会の講師を務める機会も多い。

 専門学校といえば、簿記や税理士・公認会計士を目指す会計系、公務員やリ
ーガル系の資格取得を目指す法務系、秘書や事務系の仕事のビジネス系、IT
技術者養成系、語学系などが一般的だが、昨今では、サッカー・野球、ウイン
タースポーツ、アウトドアなど屋外系、理美容、エステ、アロマ、ネイルアー
トなどのビューティ系、マンガ。アニメ、声優、映像、ゲーム、デザイン、イ
ンテリア、幼児教育、調理・パティシェ、自動車整備・工学系、ホテル・観光、
航空系など学ぶテーマも多種多様になってきた(とはいっても、資格・検定取
得を目的にして学ぶ関係もあり、サッカーやスノーボードを学んでいる生徒が
ビジネス文書検定を受検したりしているが実状でもある)。

 だから、1つの学校法人で複数のテーマを開講している専門学校での教員研
修会などで100人くらいの先生の前で話すと、体育会系、ビューティ系、IT
系、ビジネス系、音楽・映像系…見るからにその系統とおぼしき先生方の特徴
がハッキリ見られて、アイコンタクトの先を見ながら事例を選択しなければな
らず、なかなか大変な状況に陥る。

 先般は、某ビューティ系専門学校の研修会に招かれ、受講生の95%が女性の
会場にたじろぎ、気付けの授業があるので着物姿、日本髪の先生たちが何人も
いるのに驚き、そのうえ研修会場が美容院を模した三面ガラス張りの部屋で、
話している自分の姿が三面に映るという、無惨な我が容姿に見ながら話を続け
るという屈辱的な試練が与えられ、まるでガマガエルが鏡に映った己の醜い姿
を見て、脂汗を流すような状態で3時間話したときには参った。本当にじわり
と脂汗をかいていた。

 そんな中、時代の風、流れを反映しているのか、介護・福祉系の先生相手に
講演する機会が増えてきた。ビューティ系も門外漢だが、介護・福祉系もさっ
ぱり知識がないし現実感がない。ただ一方的に与えられたテーマを話して、ハ
イ、サヨナラというならいいのだが、複数回にわたっておじゃまする学校では
質問がある先生方が講演後、何人も近寄ってくる。そんなとき、私は介護・福
祉系の仕事の知識や現場のことを何も知らないとつくづく感じた。すべての仕
事に精通することはムリとしても多少なりとも知っておくことが必要だし礼儀
だと思った。

 そこで、付け焼き刃を承知で、ある勉強をすることにした。
 続きは、次回(第536号)にお話ししたい。


             (2009/06/08 人材開発メールニュース第534号掲載)


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