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柔軟性とぶれているの違いは?
 先日、ある人(20代の若手社員・地元の大手企業勤務)から面白い?質問を
受けました。彼曰く「社内のミーティングで『○○の案件に関しては柔軟性を
保ちながら、ぶれないように…』と言われたんですが、正直あまり意味がわか
りません…。結果的に上手くいけば柔軟性が高いと言われ、結果が伴わないと
ぶれていると言われてるような気がして…。ぶれることと柔軟性は結果論なん
ですかね?」という内容でした。

 感覚的には「柔軟性が高い」と「ぶれる」との違いはわかりますが、言葉で
説明しようとすると改めて難しいと感じました。政治の世界でも「ぶれている、
ぶれていない」と話題になっていますが、皆さんはどう考えますか?

 「柔軟性が高い」と「ぶれている」の違いは、目的・目標と照らし合わせて
考えることが必要です。確固たる目的・目標が存在し、目的・目標に到達する
ために方法・手段を変えていくことは柔軟性が高いと言えます。しかし、目的・
目標そのものがコロコロ変わるのは、ぶれていると言わざるを得ません。
 と言っても、今のような経営環境では、「目標そのものが変わっている」と
言われるかもしれません。ただその場合も、もっと大きな目的が存在している
と思われます。むしろ大事なことは、何を目的としているか、何を目標として
いるか、組織の中で意思統一されているかどうかだと思われます。

 相変わらず、経営環境は良くないという話が多い状況です。例えて言えば、
先が見えず、足元が悪いところを歩いているようなものです。その中で、行く
先がコロコロ変わっては、体力・気力ともに疲弊してしまいます。視界が悪く、
足元も悪い状況だからこそ、行く先がはっきりしている(=ぶれない)ことが
大事だと言えます。行き先がはっきりしていれば、行き方のアイデアも生まれ
(=柔軟性を保ち)、組織として一体感を持って取り組めると言えます。

 良くない話題が続く中で、組織の目的・目標を形成する理念(使命感・存在
意義)が、問われています。変化に適応できる組織になるためには、今更では
ありますが、理念(使命感・存在意義)を浸透させる人事管理(採用〜退職に
いたるまで)が必要になっているのではないでしょうか。


             (2009/03/16 人材開発メールニュース第523号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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