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大学生に広がる大麻汚染
 大学生に広がる大麻汚染、これまでの「購入」「吸引」のパターンから「栽
培」「売買」と拡大し、明らかに商売的になってきたのが怖くなる。また、早
稲田大学、慶應義塾大学、同志社大学、関西大学、法政大学、東京理科大学な
ど、マスコミネタからいえば、名門、高偏差値大学の学生が多く摘発されてい
るのも、このところの事件の特徴といえる。

 ある大学生対象のネット調査では、アンケートで3.4%の学生が大麻を「使
用したことがある」と答えているうえ、今年、大麻取締法で警視庁に摘発され
た人の9.2%が学生というデータもあり、その実態に驚くばかりだ。

 ところで、多くの大学で学生が摘発された後、記者会見で大学側が「再発防
止に努める」と表明する。型どおりの表現といえばそれまでだが、多少なりと
も大学および大学生と関係のある私としては、どのように再発防止の手はずを
取るのか、興味津々である。

 実際問題として、大学は在籍学生をどのくらい把握しているのだろうか。最
近ではゼミに1年次から入る(基礎ゼミなどといわれている)ので、ゼミ担当
講師が学生を把握している可能性があるが、高校や専門学校の担任ではないの
で、どのくらい強制力や抑止力があるのかわからない。ゼミを欠席してばかり
いる学生に単位をやらないことはできても、生活指導や管理はできるのでのあ
ろうか。最も、ゼミ担当の教員にしても、そんな役回りはご免被ると言うだろ
う。そもそも、それが大学の教員の役割ではない。

 某大学では、在校生全員にメール、郵便等で警鐘を鳴らすと記者会見で述べ
ていたが、就活状況を知らせろという連絡を一学年500人規模の大学の学生に
実施しても一割近くに連絡がつかないのが実情なのに、何千という学生がいる
マンモス大学でどのくらいの学生に到達するのかわからないし、到達したとし
ても実効性は上がらないのではないか。そもそも、大学からきちんと連絡がつ
き、その連絡に従って行動する学生は、大麻などには手を出さないのではない
だろうか。

 大麻栽培が簡単にできる情報はネット上に溢れており、買う奴がいるから売
る奴、栽培する奴がいる…根本的な対策を立てないことには大学生のみならず、
高校生、中学生と低年齢化していくのも怖い。せめて、私が関係している学校
の学生に波及しないことを祈るばかりである。


             (2008/12/01 人材開発メールニュース第509号掲載)


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