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自己を見つめる機会を…
 先日、今春入社した新入社員のフォロー研修を実施いたました。入社後を振
り返って、自分自身の成長の確認、入社前−入社後のギャップの確認、職場・
業務における不安を確認した上で、今後の目標を考える内容で実施しました。

 ここ数年、新入社員研修では、フォロー研修の早期化や頻度を増やす傾向が
高まっています。また、私の周りでは、上記のような研修、何か専門的なこと
を教えると言うよりも、日々の業務を振り返り(振り返ることを中心におく)、
今後の目標を考えるスタイルの研修が、若手社員層(入社5年目ぐらいまで)
で実施することが増えています。特に入社後3年〜5年目位の社員を対象に、
キャリア研修のような形で実施するケースが増えています。日常業務を離れた
OFF-JTという形式で、自己を見つめる時間を作ることで、メンタル面のケアや
モチベーションを維持・向上を促そうと言う流れが強くなっているように思わ
れます。

 昨今の採用事情を考えると、ここ数年は売り手市場で企業側から見れば採用
難だったと言えます。現在の景気動向を考えると、来年以降も売り手市場が続
くかどうかはやや見え難い状況になっていますが、「質」を重視する採用傾向
は強まると予想されます。質を重視して採用した人材をいかに早期戦力化する
か、また流失を防ぐかということは、今後益々重要になると思われます。

 いずれにしても、節目節目で自分のことを振り返り、これからのキャリアを
考える機会を創出することは、大事なことです。採用人数の多い・少ないに限
らず、またわざわざ外部から講師を招くことに限らず、1日でも半日でもまた
数時間でも、将来が期待される若手の方々に、自分の立ち位置や役割を把握さ
せることは、有意義なことだと思われます。

 多くの企業で、ビジネスリーダーを確保・育成することが期待されています
が、将来的にビジネスリーダーとして活躍するためには、まず自分の仕事やキ
ャリアについて、セルフマネジメントができるかどうかが問われます。
 社員の方々に、できるだけ早く、また数多く、自分自身を考える機会を創出
できる企業が、ビジネスリーダー予備軍をより多く確保することになるのでは
ないでしょうか。


             (2008/07/14 人材開発メールニュース第490号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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