Back Number ミス(失敗)を評価する 最近、20代の若手のビジネスマンの方から、次のような話を聞くことがあり ました。「うちの会社おかしいんですよー。ミスを恐れず、積極的に挑戦する ように言われたので、新規の販促活動をしたんですが、それが思いっきり失敗 したんです。そしたら、滅茶苦茶怒られ、思いっきりボーナスが下がったんで すよ。おかしいと思いませんか?」…実際の話は、かなり割愛していますが、 その彼は、会社が言っていることとやってることが違うので、かなり不満を持 って私のところに来たようでした。 「ミスを恐れるな!」と言っておきながら、実際にミスを犯すと怒るような 人や組織があるのも事実です(笑うに笑えない話ですが…)。実際こういう現 象が発生すると、やはりミスを恐れずにチャンレンジする風土は形成できない と言えます。 しかし、少し目先を変えると、「ミスを恐れるな」と言いながらミスが発生 した時に怒る場面では、最初から言行不一致のケースもあれば、それだけでは なく「言ってる側」と「やってる側」の想定するミスのレベルが異なるという ケースもあります。むしろそういうケースの方が多いように思われます。 少しわかりやすく言えば、「やってもいいミス」と「そうではないミス」の 線引きができていないということです。特に経験したことが無いことチャレン ジする場合、チャレンジを指示された人は、どこからがミスということもわか らず、またミスの深刻度についても理解できていない事が多いと言えます。ミ スを恐れず積極的にチャレンジ(=ミスを奨励?)させる場合は、ミスの基準 を設定することが必要です。実際、ミスの許容範囲を予め設定することや、事 前にやっては良いミスとそうではないミスを少し説明するだけでもかなり違う ものです。 多くの職場で、チャレンジする雰囲気を作りたいという話を聞きますが、た だ単にやれと言ってるだけでは、上手く進みません。「チャンレンジしたらど うなるか」「ミスしたらどうなるか」を明らかにしなければ、継続的なチャン レンジは生まれないと言えます。また残念ながらミスが発生した場合、人材育 成につなげていくために、発生したミスのレベルをきちんと評価することも必 要です。特にミスを怖がる傾向が強いと言われる?最近の若手社員の育成には、 欠かせない視点ではないでしょうか? (2008/05/19 人材開発メールニュース第482号掲載) humanize:吉次 潤 Go to Back Number Index Go to Top Page |