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新しいことに取り組むためには…
 年度が替わり、最近色々な方から「新しいこと」をしたいという話を聞く機
会がありました。人材開発に関連することでも「新しい採用」「新しい研修」
「新しい制度」などの話を聞く機会が、例年になく多い印象を受けます。「新
しい」話は、当然前向きな内容なので、聞く側も楽しくなってきます。

 私も「新しいこと」に関する相談をいただくことがありますが、「新しいこ
と」を実現する意欲や可能性を探るために、いつも意地悪な?質問をさせてい
ただきます。その質問とは、「新しいことをするために、何を捨てますか?何
を削りますか?」という質問です。全てのことが、何かを捨てなければ、また
は削らなくてはできないという訳ではないと思いますが、やはり何か得るため
には、リスクを背負う必要があると考えられます。

 一人の仕事(業務)もそうですが、新しい仕事(業務)に取り組むためには、
これまでの仕事(業務)の見直しが必要です。自分が担当していたことを、誰
かに渡すことも一つの方法です。また、自らの処理能力を上げてこれまでの仕
事(業務)をもっと効率的に処理することで新たな時間を創出することも一つ
の方法です。いずれにしても、新しいことに取り掛かるためにはこれまでの何
かを変える必要があると考えられます。

 目標管理の場面においても、新しい業務に取り組むことを目標に組み込むの
であれば、当然これまでの業務をどうするかをセットで考える必要があります。
良く現場から正しく評価されていないという話題が出る一因には、新しいこと
と既存のことの評価軸がぶれていることも影響していると考えられます。

 新しいことは、最初から理詰めではなく、思いつきやアイデアレベルで突然
出てくることが多いと言えます。新しいことを実現するためには、具体的に計
画化・スケジュール化していかなくてはなりません。前述の通り、これまでの
何かを変えなければ、実現できません(逆に言えば、今やっている何かを変え
れば、いつでも、いくらでも新しいことはできるとも言えますが…)。

 いずれにしても、「新しいこと」をやろうという雰囲気が高まっている組織・
職場が増えているように思われます。このタイミングで徹底的に既存の事業・
仕事を見直すことが必要ではないでしょうか。


             (2008/04/07 人材開発メールニュース第477号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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