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ワーク・ライフ・バランスと人事
 今年最後のワンポイント・アドバイスとなりました。読者の皆さんにとって
は、どんな1年だったでしょうか?

 今年も人材開発に関する様々な話題を取り上げてきましたが、個人的には、
今年は「ワーク・ライフ・バランス(以下、WLB)」に関する話題が、急激
に増えたという印象を持っています。
 少子・高齢化、格差問題、労働生産性の低下などを背景に、各方面でWLB
(仕事と生活の調和)の実現が必要だと言う動きが活発化しています。WLB
を実現するために、働き方や仕事を見直そうというものが多いわけですが、も
う少し本質的な部分を考えると、働き方や仕事も含め「何が幸せか?」「どん
な働き方が幸せか?」「どんな仕事が幸せか?」が問われているように思われ
ます。価値観が多様化する中で、お客様・従業員・企業のそれぞれの幸せをい
かにして実現するかが問われているとも言えます。

 私もたくさんの人事(人材開発)に関する制度・施策の導入をお手伝いさせ
ていただいております。WLBの実現に限ったことではなく、いつも同じこと
を言ってますが、制度・施策の有無を議論することよりも、施策・制度の有無
が「お客様の幸せ」「従業員の幸せ」「企業の幸せ」につながっているかどう
かが大切なポイントです。今よりも(または将来的に)お客様・従業員・企業、
それぞれの幸せにつながる制度・施策であれば実施すべきだと思われますし、
そうでないものであれば辞めた方がいいと思います。
 当たり前のことですが、従業員・お客様・企業の幸せを真剣に考えれば、世
の中を騒がせている「偽装」のようなものは起こらないと思われます。そう言
いながらも、不祥事が頻発する背景には、逆に言えば、お客様・従業員・企業
の幸せをバランス良く考えるということは、単純であるが故に難しいことを表
しているとも言えます。

 人事(人材開発)とは“人”と“仕事”のことを考える仕事です。
 WLB(仕事と生活の調和)に注目が集まっている中で、人事の仕事は、人
と仕事のことを処理する仕事から、混沌とした時代の中で「人と仕事はこうあ
るべきだ、こうした方が良い」と進むべき道を指し示す仕事へ転換することが
求められていると言えます。お客様・従業員・企業の幸せをバランスよく実現
するための人事、経営における人事のイニシアティブは益々高まっていくと思
われます。

 今年一年お付き合いいただきありがとうございました。
 今後ともご愛顧の程、よろしくお願いいたします。それでは、良いお年を!


             (2007/12/24 人材開発メールニュース第463号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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