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基本の見直し…ブレークダウン
 マネジメントの現場において、ブレークダウン=細かく分析することは、方
針や目標を展開する上で、基本的でかつ大事な方法です。

 例えば、「お客様へのサービスのレベルアップを図る」ことは、誰もが大事
なことだと認識しますが、これだけでは、現場で具体的に展開していくことは
できません。現場で展開していくためには、一つ一つの単語に区切ってブレー
クダウンすることが必要になります。上記の例で言えば、「お客様」「サービ
ス」「レベルアップ」という形で区切って考えると、以下のようになります。
 「お客様」〜どんなお客様に力を入れていくのか?、なぜそのお客様に力を
入れていくのか?
 「サービス」〜どんなサービスに力を入れていくのか?、なぜそのサービス
に力を入れていくのか?
 「レベルアップ」〜どの程度レベルアップするのか?、なぜレベルアップす
るのか?、いつまでにレベルアップするのか?

 ブレークダウンすることは、仕事を進める上で基本的な方法ですが、方針や
目標が曖昧になったりする場面においては、まず最初に確認すべきことだと言
えます。

 最近、現場の人材育成力が低下しているという話題が出ていますが、特にプ
レーヤーとして優秀な方が、いきなりマネジャーになって戸惑っているという
話を良く聞きます。優秀なプレーヤーの方は、ブレークダウンを自己完結的に
できる方が多いと言えます。自己完結的にできると表現したのは、自分の頭の
中で思い描くことができ、自ら仕事を進めていくことができることを意味して
います。

 自己完結できる優秀なプレーヤーの方がマネジャーになった際に戸惑う一つ
の要因として、ブレークダウンを個人でなくチームで共有して行うことができ
ていないことが挙げられます。マネジャー個人の頭の中では、ブレークダウン
できているものの、メンバーと共有できていないことは良くあります。メンバ
ーの行動を観察していると違和感を感じ始め、「わかっていると思っていたの
に…」という言葉に代表されるように、メンバーは想像以上にわかっていない
ことに徐々に気づくことは良くあることです。「やり方が違っている」という
よりも、「やることそのものが違っている」ことが増えているようです。

 育成力・指導力の一部なのかもしれませんが、マネジャーとメンバー間の思
い違いや確認不足が増えているのではないでしょうか。メンバーとの会話で、
「おかしいな」と思い始めたら、何をやるべきなのか、何故やるべきなのか、
基本に戻ってメンバーと一緒に目標や方針をブレークダウンすることは有効な
方法だと言えます。


             (2007/12/10 人材開発メールニュース第461号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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