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スポーツ勝敗の記録と記憶
 読者の皆様、暑中お見舞い申し上げます。
 毎年、夏になると甲子園での高校野球が始まる。私はかなり以前から、新聞
に載る地区予選の結果を見るのが好きである。もう相当、昔だが、たまたま予
選結果で宮崎県の欄で38−0というスコアを眺めて、一体、どうなれば38
点も取られるのだろうかという興味を持ったのがきっかけである。それから毎
年、見たことも行ったこともない街にある学校の得点差ばかり気になっていた。

 そんなとき、今年、我が神奈川県予選で53−0と、とんでもない得点差の
結果に接して一段と興味が募りいろいろネットで調べてみた。そしたらありま
した。今年、埼玉大会の秩父農工科学校と川本高校の試合が68−0と最多得
点差が記録された。調べると、1回1アウトを取られるまで23得点、1回で
30得点、5回コールド38安打26盗塁の猛攻である。ちなみに7回コール
ドでの最多得点記録は98年、青森大会の東奧義塾対深浦高校の122−0が
記録だそうだ。

 いつもこの手の結果を見て思うことは、勝ったチームは万々歳だろうが、負
けたチームの戦っているときの気持ちとはどんなものだったのだろうかという
ことだ。興味が尽きない。甲子園の得点差記録は、06年春のセンバツ決勝、
神奈川・横浜高校が長崎・清峰高校戦で記録した21−0とのことだ。

 さすがプロ野球と思うのは、セリーグの得点差の記録は横浜ベイスターズの
前身、大洋が50年に中日戦に記録した28−5の23点差、パリーグは阪急
が南海戦に記録した32−5の28点差、0点で終わらないところにプロの凄
さを感じるがどうだろう。

 他のスポーツに目を転じると、ラグビーで06年高校ラグビーの千葉県大会、
専修松戸が東邦大東邦戦に記録した289−0、1試合43トライというのが
最多得点記録という。この試合、負けた高校の選手2名が試合早々退場して、
控えがいないことから13名で戦ったとなっている。棄権や試合放棄をしない
で戦った敗戦校は偉い。国際大会でのラグピーでは、02年南アメリカ選手権
でアルゼンチンがパラグアイ戦に記録した152−0があるとのことである。
 アルゼンチンといえばサッカー、サッカーの得点差はどうかというと少々調
査に手を抜いて恐縮だが、国際大会ではオーストラリアがサモア戦で記録した
31−0というのがあるそうだ。さすがにサッカーでレベル差があったとして
も50点差以上はつきにくいのかな。

 勝ったチームもそうだが、負けたチームも「記録」に残ることは大切だ。そ
して戦った人たちにはそれ以上の「記憶」にもなるのだろうね。


             (2007/07/30 人材開発メールニュース第443号掲載)


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