Back Number 重要度、緊急度からギャップを確認 管理職など部下を持つ方から、「部下が思い通りに動かない」という嘆きを 聞くことが多々あります。勿論、部下に限らず、完璧に自分の思い通りに動く ようなことはありませんが、思っている以上に上司の期待と異なる動きをする 部下が多いのも事実です。恐らく、部下が実際にやっていることと、上司が期 待することにギャップがあるために、前述のような嘆きがでてくるのではない でしょうか? 部下が「期待通りに動かない」ということは、上司が「期待すること」と部 下が「期待されていると思っていること」がズレているケースが多いと言えま す。日頃のコミュニケーションを通して、ズレを修正することが一般的な方法 ですが、下記のような方法を用いて、もう少し細かくズレを修正する方法があ ります。 特別な方法というわけではありませんが、目標設定や問題解決の際によく使 用される、重要度と緊急度を用いて、仕事を分析する方法です。重要度を縦軸、 緊急度を横軸にとり、それぞれ高低をつけると、「重要度:高&緊急度:高」 「重要度:高&緊急度:低」「重要度:低&緊急度:高」「重要度:低&緊急 度:低」という4つの象限ができます。 部下の1日や1週間の業務内容を箇条書きで書き出し、上司・部下それぞれ に重要度・緊急度という視点から、上記の4つの象限のどこに位置するかを評 価すると、ギャップを確認することができます。上司が緊急だと思っていたこ とを部下は緊急だと思っていなかったり、上司が重要だと思っていないことを、 部下は重要だと思っていたり…日頃の業務一つ一つに焦点を当てていくと、思 わぬギャップが発生していることもあります。当然、このような状態では、期 待通りに動くことはできないと言えます。 また、日頃からコミュニケーションが円滑に進んでいる関係では、上司・部 下それぞれに、業務の重要度・緊急度を評価しても、さほどギャップが無いケ ースもあります。しかし、それでも期待通りにできていないと感じる場合は、 時間の使い方に理由があるように思われます。1日や1週間など特定期間の中 で、4つの象限の内、どこに時間を割いているのかを分析すると、緊急度が高 い仕事に偏り過ぎていることが多いのではないでしょうか。 誰にでもあてはまことですが、どうしても緊急度が高い仕事を優先する傾向 が強いと言えます。その場その場の対応に時間が割かれ、結局重要なことが後 回しになっていることは、よくあることです。重要なことに手がつけられてい ないために、期待通りに動いていないと感じるのではないでしょうか? 上司−部下という関係で考えた場合は、部下が緊急度が高い仕事だけでなく、 重要度が高い仕事に取り組める環境を作ってあげることも上司の大事な役割で あると言えます。 いずれにしても、思い通りに動かないと嘆く前に、「思い・期待」が合致し ているかどうかを重要度・緊急度という視点で見直していくと、様々な課題が 発見できると言えます。 (2007/07/23 人材開発メールニュース第442号掲載) humanize:吉次 潤 Go to Back Number Index Go to Top Page |