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方針を徹底するには…
 人材開発の現場で、方針が徹底できていないという悩みを聞くことがありま
す。「笛吹けど踊らず」ではありませんが、経営者や幹部の方から、自分の考
えが現場に伝わっていない…という悩みを聞くことはよくあります。

 方針を徹底するために、何が必要かを考えると、方針を打ち出す、伝えるだ
けでなく、出された方針を受け手が、どのように受け止めたのか、受け止めた
結果どのように行動(考動)しているのかを確認する必要があります。

 全てというわけではありませんが、方針が徹底できないと悩まれている職場
の多くは、方針を打ち出す、伝えるという発信には力を入れているが、受信の
確認ができていないことが多いように思われます。

 上位から下位に対して方針を徹底するためには、上位から方針を打ち出す、
伝えるだけでなく、方針を受けた下位のものが出された方針を受けて、自分は
「何をするか、何に力を入れるか」を聞いたり、書かせたりすると、方針の理
解度を把握することができます。上手く理解していないようであれば、すぐに
修正する必要があります。多くの場合は、全く理解していないということでは
なく、理解している部分と理解していない部分が併存しています。理解してい
る部分を評価した上で、理解していない部分を修正していく必要があります。

 また、方針を徹底するためには、理解するだけでなく、行動に反映される必
要があります。方針はわかっているが、できていない(行動していない)こと
もあります。その場合も何故できていない(行動していない)かを、原因を分
析する必要があると言えます。

 いずれにしても方針を徹底するためには、一方通行ではなく、双方向のコミ
ュニケーションが必要です。方針に限ったことではありませんが、上から下へ
の一方通行だけでは、上手く機能しません。方針を打ち出す・伝えるだけでな
く、どう受け止めたかを確認するだけでも職場の具体的な課題が発見できます。
方針を徹底するためにどうするか、何が阻害要因になっているか、人材開発の
具体的なテーマが浮かび上がってきます。その課題を一つ一つ解決することが、
より強い組織づくりにつながっていくと言えます。


             (2007/07/09 人材開発メールニュース第440号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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