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自社に必要な人材を獲得するために
 私のオフィスの前には貸会議室がありますが、連日様々な企業の新卒採用説
明会・採用選考会が開催されています。まさに新卒採用がピークを迎えている
という感じです。

 このコラムでも、度々最近の新卒採用について取り上げていますが、やはり
過熱しすぎでは?という印象が否めません。売り手市場で、どこの会社も人材
を採用したいと言う気持ちは理解できますが、やはり大事なのは、採用した後、
活躍できるかどうかにあると言えます。本人も気持ちよく働き、企業にも貢献
できているかが、大事であると言えます。

 様々な機関から新卒採用に関するアンケート調査が発表され、企業側は新卒
採用にあたり、「量」だけでなく「質」も重視するという意見が多数派ではあ
るものの、実際の動きを見ていると、量を確保することに偏っているような印
象を受けます。学生の動向や意見を重視することは大切なことだと思われます
が、学生の動向や意見に合わせ過ぎているような印象を受けます。人事担当者
は、経営側から人材を確保することを要求されていることも理解できますが、
自社に必要な人材を採用しているというよりも、自社に入りそうな人材を探し
ているという雰囲気を感じるケースもあります。

 新卒採用が過熱すればするほど、また採用活動で学生の動向に合わせれば合
わせるほど、入社後のミスマッチが発生することが予測されます。少しでもミ
スマッチを引き起こさないためには、ある程度採用の段階で、自社の考え方を
丁寧に伝えておくことが必要だと言えます。例えば、多くの会社で「前向きな
人材」が欲しいという話を聞きますが、それぞれの企業(組織)でどのような
言動・思考が“前向き”と評価される、認められるかは、異なっていると言え
ます。自社が示す“前向き”の意味を具体的に説明するような取り組みも必要
だと言えます。
 売り手市場の中で、自社に必要な人材を一人でも多く獲得するためには、ど
この企業でも使っているようなありふれた言葉だけでなく、他社とは違う言葉
で、自社の求めるものを発信していく必要があるのではないでしょうか。

<追伸−お知らせ>

 いつもご愛読いただきありがとうございます。
 この度「人材開発メールニュース」の運営事務局である有限会社ワイプロジ
ェクトは、株式会社ヒューマナイズに社名を変更いたしました。丁度一年前の
コラムに、「独立して丸10年が経過し、さらに新しいことを」と書いていまし
たが、勇気を持ってさらに前に一歩?進んでみることにしました。
 今後ともよろしくお願い申し上げます。

 (株式会社ヒューマナイズ 代表取締役 吉次 潤)


             (2007/03/26 人材開発メールニュース第426号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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