Back Number 目標複数化のすすめ 景気が回復基調にあると言われていますが、売上=営業の数値が堅実に伸び ているところと、伸びも激しいが落ちも激しい企業(組織)が存在します。ま た同様に、営業担当者(個人)においても、堅実に売上を伸ばす人材もいれば、 売上が上がったり、下がったり波が激しい人材も存在します。当然であります が、売上が乱高下する企業(組織)には、個々の人材(営業担当者)レベルで も、売上が乱高下する人材が多いと言えます。 企業(組織)・個人いずれにしても、営業を進めていく上で、当然目標、特 に予算など数値化された目標が設定されます。売上の乱高下の波が大きい場合、 一つの要因として、目標が一つしか設定されていないケースが多いようです。 目標は一つの方が、明確でわかりやすいような感じもありますが、目標が一つ しか設定されていない場合は、目標に達していない場合に、後手に回ったり、 あきらめ感が先行してモチベーションが下がったりすることで、悪循環に陥る ことが多いように思われます。 一方、堅実に売上を伸ばしている企業(組織)・個人の場合は、売上目標に おいても複数の目標を持っているケースが多いようです。私も営業関連の人材 開発のお手伝いをする場合は、最低3つの目標を持つことを薦めています。例 えば、A・B・Cというランクをつけ、Aは理想目標、Bは希望目標、Cは必 達(現実)目標というようなイメージで、Cは事業が継続できる最低限、最悪 のシナリオを持った上で、計画することをお薦めしてます。勿論、言葉が独り 歩きしないように、それぞれの目標を設定する上では、担当者(部門)に対し て、コミットメントしてもらうことが一番重要なことになります。 目標を複数化する方法は様々ですが、複数化することによって、現状の把握 が正確かつ素早くなり、場合によっては、目標をこまめに切り替えることも含 めて、対策を迅速に打つことができるようななります。大事なことは、問題解 決の原理原則的なことでもありますが、あるべき姿と現実のギャップをいかに 早く・正確に捉え、ギャップを埋めるための方法=問題解決の答えをいかに早 く見つけ出すかということではないでしょうか。 営業部門に限ったことではありませんが、目標の捉え方は個人差があります。 目標を理想だと思う人材もいれば、目標を最低限クリアしなければいけないも のと考える人材もいます。どちらが良いとか悪いとか言うことではなく、その 意識の差が組織として仕事を進める上で障害になります。意識の差があること で、情報が正しく伝わらなかったり、判断が遅くなったりする原因になること はよくあることです。 目標の意味を見直したり、そのために目標を複数化することでレベル合わせ をすることで、より良い問題解決ができるのではないでしょうか。 (2006/09/11 人材開発メールニュース第399号掲載) WISEPROJECT:吉次 潤 Go to Back Number Index Go to Top Page |