Back Number 外部講師の上手な活用<打合せ編> 日頃から、研修や講演会をある時は自ら講師として、ある時は企画運営者と して、様々な形でお手伝いしていますが、外部講師の活用が上手い企業(組織) とそうでない企業(組織)があることに気づきます。 外部講師のモチベーションを上げるために、ただ単に「丁重にもてなせ」と 言ってるわけではありません。しかし、企業側の対応…研修・講演の当日の対 応、事前の打合せ、事後の振り返り、等の場面で、その企業(組織)の雰囲気 や風土を感じ取ることができます。研修・講演会を成功させるためには、事前 打合せも大事な要素ですが、企業(組織)側の意識の違いがわかる場面でもあ ります。 基本的に研修や講演会を行う場合は、事前の打合せを行いますが、かなり昔、 私が担当させていただいた企業の中には、事前の打合せを嫌う(面倒だと)言 われる企業もありました。これはさすがに辛いですね。 また、事前打合せは積極的ですが、企業側からだけの情報発信に終始する企 業もあります。「わが社では、このあたりが課題と考えていまして…」「研修 に参加する社員はこんな感じですが…」情報を提供いただくことはありがたい ことですが、「わが社は…」「わが社の社員は…」と自社の悩みだけを一方的 に話し、あとはお任せします、というケースもかなり多いようです。 講師を上手く活用する企業は、やはり事前打合せでも双方向のコミュニケー ションを心がけているようです。研修や講演会を行う上での、自社の課題・目 的を伝えるとともに、そのテーマに関する講師の考えなどを積極的に引き出し ている企業は、講師活用が上手い企業だと言えます。 例えば、講師の活用が上手いと感じる企業では、事前に対象となる講師の得 意分野や指導実績をできる限り情報収集した上で、「わが社では○○というこ とが課題で、今回このような研修を企画しています。先生は、これまでの指導 経験も踏まえ、○○に対してどのような考えをお持ちですか?」という質問が 出てきます。また実際に講師からの回答を聴いた上で、少し意図の違いを感じ た場合は、その場でさらに意見交換しています。講師も、相手が自分のことを 理解しているとわかれば、安心感を持ち、積極的に意見を出すようになります。 そのようなやりとりができている場面では、企業側・講師側の双方のアイデ アが、また新たなアイデアを生み出していくと言った相乗効果が、傍で見てい ても手に取るようにわかります。 企業(発注)側から考えれば、外部講師に対してお金を払っているわけだか ら、プロとしてどんな状況でも対応すべきだと言う考え方もあるかもしれませ んが、企業(発注)側と講師(受注)側で共により良いものをつくり上げよう と言うスタンスが必要だと思われます。 講師も人材です。それぞれ持ち味が異なっていると言えます。同じ機会を提 供するのであれば、その人材の持ち味を引き出す努力を惜しまずに取り組む方 が、得られる効果は大きいと言えます。皆さんの周りではいかがですか? (2006/02/13 人材開発メールニュース第371号掲載) WISEPROJECT:吉次 潤 Go to Back Number Index Go to Top Page |