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情報感度を高める
 日々たくさんの情報に接していますが、やはり仕事ができると言われる人材
は、情報に対する感度が高い、情報の集め方が上手い人が多いようです。

 誰でも経験があるかと思われますが、何か気になるテーマがある時には、必
然と情報に対する感度が良くなります。例えば、何か大きな買い物(例えば、
車や家など)をしたいと考えている時には、新聞・雑誌・TVなどを何気なく
見ていても、自然と広告などが目に入ってきます。
 情報感度が高い・低いの違いは、日頃から接している情報量が極端に違うわ
けではなく、同じような情報に接しながらも、感度が高い人材は、いつも何か
テーマを持って情報に接していることが多く、また受動的でなく、主体的に情
報を探す行動が身に付いているために結果的に有用な情報が入手し易くなって
いるのではないでしょうか。

 私がお手伝いしている企業の中には、情報に対する感度を高めるために、定
期的に全社員にレポートを提出させている会社があります。3ヶ月に1回程度、
全社員にレポートを提出させているわけですが、テーマそのものは比較的簡単
なものを設定しています。例えば、「最近受けたサービスの中で最も印象的だ
ったもの」「最近外食した中で一番良かったお店」「自宅の近くで、最近新し
く開店した店舗」など、ありふれた?テーマではありますが、社員の方々は与
えられたテーマに関して、真剣に情報を集めています。
 また、その会社では、提出されたレポートの中で良かったものについては、
経営幹部がコメントをつけた上で、社内WEBで公開し、社員の方々へのフィ
ードバックを行い、社内での情報共有を進めています。

 前述のように、全社的に取り組むようなところもありますが、部下育成の一
環として、テーマを与え、調べさせる・まとめさせるという方法は、様々な職
場で活用できるように思われます。何かについて調べさせ、レポートをまとめ
ることは、仕事を進めるための基本的なことが、凝縮されています。特に入社
して間もない世代については、育成する側から、テーマを与え、何かに興味・
関心を持たせる、問題意識を持って日々を過ごさせる仕組みをつくることも大
事なことではないでしょうか?

 そういう経験を持った人材が、主体的にテーマ・問題意識を持ち、自分で情
報収集を始めることで、情報に対する感度に磨きがかかってくると言えます。
皆さんの職場では、日々何らかのテーマが設定されていますか?


             (2005/10/10 人材開発メールニュース第354号掲載)
                         WISEPROJECT:吉次 潤


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