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職場の活性化を目指して
 日頃から様々な企業に訪問していますが、実際にそこで働いている社員の方
々の顔や姿を拝見しますと、明るい職場、暗い職場、静かな職場、賑やかな職
場、全員が忙しそうにしている職場、一部の人だけがバタバタしている職場、
など様々な職場があります。それぞれの職場の持つ雰囲気、いわゆる社風と言
われるものですが、本当に千差万別という印象を受けます。

 人材開発の仕事に携わる中で、もっと良い職場に変えて行きたいという話題
が良く出てきます。一般的には「職場の活性化を図る」と言われるものですが、
これも単に職場の活性化をしたいというアバウトな目標を掲げても、なかなか
成果に結びつくものではありません。職場の活性化を進めていくためには、も
う少し具体的な指標が必要になります。職場の活性化については色々な考え方
がありますが、私が指標として良く使うのは「情報の共有度」と「メンバーの
参画度(参加意欲)」の2つです。

 例えば、メンバー全員に、自分の職場に対して「情報の共有度」と「メンバ
ーの参画度(参加意欲)」を「できている」〜「できていない」を5段階ぐら
いで自己評価していただきます。縦軸に「情報の共有度」、横軸「メンバーの
参画度」というマトリクスを作成し、全員の結果をプロットしていくと、その
職場の傾向がより鮮明になります。上司と部下の評価の違い、また社員だけで
なくアルバイト・パート・派遣社員等、社員以外の方の評価も聞いてみると結
構面白い?ものがあります(読者の皆さんも是非一度お試しください)。

 さらに突っ込んで、一人ひとりに、何故そのような採点をしたかをヒアリン
グしていきます。そして、共有度と参画度をそれぞれ現状の自己評価ポイント
より、1つ上げていくためには具体的にどのような取組みが必要かを意見とし
て集約します。非常に簡単なアンケート集計ですが、これだけでも具体的なテ
ーマがかなり見えてきます。職場の活性化に限ったことではありませんが、何
か改善したいテーマが存在する時には、評価すべき指標を(仮に)作って進め
ていく方が、具体的な改善がし易いと言えます。

 話を戻しますと、私がお手伝いしている企業では、企業規模が大きくなれば
なるほど、「情報の共有度」「メンバーの参画度」両者共に低くなる傾向があ
ります。また、規模が大きくなればなるほど、自己評価ポイントを1つ上げる
ための意見・アイデアについても、たくさんの(バラエティに富んだ)意見=
より多くの改善の視点が出てきます。中には個人的なわがまま?のような意見
もありますので、全ての意見・アイデアを取り入れることは難しいと思われま
すが、重要度・緊急度・実現可能度と言った視点から、変更できるものはすぐ
に取り組むといった積み重ねが職場の活性化につながっていくのではないでし
ょうか?


             (2005/05/16 人材開発メールニュース第334号掲載)
                         WISEPROJECT:吉次 潤


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