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地震…リスク管理を考える
 私が住んでいる福岡では、先月20日「福岡県西方沖地震」が発生し、最近
もまだ余震が続いています。生まれてからほとんどを福岡で過ごしている私も
そうですが、周りのほとんどの人が「まさか福岡で…」とびっくりしています。
特に被害が大きかった玄界島の方々や被災されている方々のことを思えば、軽
々しくは言えませんが、地震の規模の割には被害が少なかったのは、不幸中の
幸いだったように思われます。

 今回の地震に関連して、企業のリスク管理についても、新聞を始め色々なと
ころで取り上げられました。私がお手伝いしている企業でも「災害時マニュア
ル」と言われるものが数多く存在しておりますが、今回の地震に対して、有効
に機能したものは皆無でした。火災や台風に関する対策は、比較的どこの会社
でも準備されていますが、地震というのは「想定外」という企業が多かったの
ではないでしょうか?

 私自身もそうでしたが、連絡手段が機能しない状況に陥って、はじめて考え
させられたことがたくさんありました。「リスク管理」という言葉は、頭の中
でわかってはいても、現実の場面に遭遇すると、想定外のことも発生します。
日頃からどこまで真剣に考えているかを問われているような気がしました。
 また発生後には、想定外のことも含め、被害や影響を最低限に抑えるために
冷静に対処することも大事なことです。特にたくさんの人が集まっていた商業
施設においては、その場の担当者の機転や意思決定によって、かなり対応に差
があったようです。改めて「ヒト」の重要性や意思決定の重要性を認識できた
ように思われます。

 地震に限ったことではありませんが、発生した事象を次にどう活かすか、ど
う対応するかが重要なことだと言えます。様々なリスクに対する予防対策(事
前対策)と発生時対策(事後対策)を考えることの必要性を改めて認識しまし
た。経験から学ぶことで“智”を創り、残していくことが、我々自身、また我
々の将来への使命であるように思われます。

 今回の地震に際して、たくさんの方々から励ましの連絡をいただき、心から
感謝しております。この場を借りてお礼申し上げます。
 平凡なことではありますが、安心して1日が過ごせることは、有り難いこと
ですね。


             (2005/04/11 人材開発メールニュース第330号掲載)
                         WISEPROJECT:吉次 潤


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