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基本に戻って…
 今年最初のワンポイントアドバイスです。
 本年もよろしくお願いいたします。

 さて、年末年始にかけて地元の経営者の方々と情報交換する機会がありまし
た。人づてに何人かの経営者の方々とお会いしたわけですが、私が人材開発の
仕事をしているという話をすると、大体どの経営者の方も人材育成に力を入れ
たいと言われます。ただ次には「何かいい方法は?」と言う話をする方が多か
ったようです。
 研修に代表されるような教育も重要ですが、人材育成=何か特別な取り組み
を行うだけではなくて、日々の基本を振り返るようなことがより重要だと思い
ます。

 例えば、仕事の進め方の基本と言えばマネジメントサイクルを回すと言う事
になります。ほとんどの方がPLAN→DO→SEEは知っている、わかって
いると言われます。基本を徹底するということであれば、それができているか
を確認することが必要になります。
 仕事は「指示・受命」に始まり、「報告」で終わります。表現は様々ですが、
恐らく多くの方がわかっているでしょう。ただ実際、現場がどうかと言えば、
最近「報告」ができない社員が増えていると話を良く聞きます。上司が仕事を
頼んでも、進捗報告や結果報告が無いことも多いようです。上司が「あの仕事
どうなった?」と聞くと「終わりました」と返答することが多いようです。一
見問題が無いように思えますが、本来であれば上司が聞く前に部下が「終わっ
た」と報告が行うのが基本だと言えます。

 仕事を頼まれた部下の方は、自分で作業を処理したので恐らく仕事は「終わ
った」という認識を持っています。確かに個人の作業としては完了しているの
かもしれませんが、組織の一員として考えると、報告をしてないと言う事であ
れば、組織として仕事は「完了していない」と言えます。細かいことですが、
最初はどのタイミングで報告を入れるかを教えることも必要です。

 組織の中で、上司が仕事の進み具合を聞くことが多いのか、上司が聞く前に
報告することが多いのか、どちらの比率が多いかをチェックするだけで、その
組織の持つ仕事の処理スピードが、はっきりわかります。
 「指示・受命」に始まり「報告」で終わるという仕事の基本を再度確認する
だけでも、組織としての能率、コミュニケーションは確実に向上します。もっ
と言えば、そういう基本を徹底しようとする問題意識や具体的なアクションが
組織に存在しているかがより大事です。

 人材開発の進め方には様々な方法があります。より良い手段を追求していく
ことは勿論重要ですが、絶えず目的・目標を明確にする、確認するという基本
を忘れずに進めていきたいですね。


             (2005/01/17 人材開発メールニュース第318号掲載)
                         WISEPROJECT:吉次 潤


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