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本気で個を活かす?
 今年最後のワンポイントアドバイスとなりました。と言っても、今年は暖か
くあまり年末と言う印象は感じられませんが、皆さんにとっては、どんな一年
だったでしょうか。

 今年も色々な仕事を担当させていただきました。いつも感じることですが、
やはり元気の良い会社とそうでない会社、そこで実際に働いている人を少し見
るだけでも、かなり違うものを感じます。同じような業績でも、働いている人
が明るい会社もあれば悲壮感漂う?会社もあります。甘いと言われるかもしれ
ませんが、折角仕事をしているのであれば、明るく働いて欲しいですね。

 私が感じる元気な会社は、様々なアプローチの違いはあれ、「個」を活かす
ことを組織として考えている雰囲気を持っているところが多いようです。一見
すると、できのいい?リーダーと言われる方々が組織を引っ張っているように
見えますが、大局的に見ると意欲を持ったリーダーを信じて任せることを「促
進する組織」と「促進していない(阻害している)組織」が存在しているよう
です。

 どこの会社でも「ビジネスリーダー」という人にリーダーシップを発揮して
もらい、事業を立ち上げ・推進して欲しいと言う声を聞きますが、それを本気
で経営トップが容認しているケースはまだまだ少ないように思われます。「出
る杭は何とか…」では、ありませんが、まだまだ「個」に本気で期待するとい
う組織は少ないように思われます。

 例えば、人材の登用や活用を考える場面においても、多くの会社で意欲を持
った人に積極的にチャンスを与えると言われておりますが、実際はその前に付
帯条件がつくケースが多いようです。付帯条件とは、「仕事ができるようにな
ったら→もっと仕事を与えてみよう」「新しい仕事が発生したら→誰かに担当
させよう」という条件付きで人材の登用を考えている組織が圧倒的に多いよう
に思えます。
 「なったら」「したら」という条件付で成長するチャンスを与える組織と、
「なったら」「したら」という条件に囚われず、個を成長させるために計画的
にチャンスを与えていく組織では、やはり違いが出ているようです。

 企業経営において人材開発部門(機能)の重要性は益々高まり、経営の根幹
を握っていると言っても過言では無いと思います。私自身、人材開発という仕
事は、「人(個)」と「組織」の発展的共存(互いに成長する)関係をいかに
つくるかということだと考えています。そのためには、人=従業員に対しても、
また組織=経営トップに対しても、共に課題を分析・抽出し、解決策を提案で
きる機能が要求されているように思われます。研修に代表されるように、ただ
単にトレーニングを提供する(知識・スキルを満たしていく)だけでは、人材
開発という機能を果たせなくなっているのではないでしょうか?
 自省も含めて、発展的共存関係を実現するために人と組織のニーズをバラン
スよく満たしていくことを、日々追求していきたいと考えております。

 来るべき新年が皆様にとってよい一年になりますことをお祈り申し上げます。
今後ともご愛顧の程、よろしくお願いいたします。


             (2004/12/27 人材開発メールニュース第316号掲載)
                         WISEPROJECT:吉次 潤


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