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オープンではない若年社員
  今年も早くも年末、年齢を重ねるごとに、時間の経過を早く感じるようにな
りました。皆さんはいかがお過ごしですが?
 さて、私は新卒採用や新入社員研修などをお手伝いする中で、若い?年代の
方と接する機会がありますが、自分自身の20代の頃と比較すると、オープンな
方が少ないという印象を持っています。(ただ単に私が年齢を取っただけかも
しれませんが…)

 ここでいうオープンとは、正直に自分のことや気持ち、感情などを表現する
ことを示しています。最近の新入社員、若手社員は優秀だという意見をいろん
な所で聞きます。もう少し詳しく言えば、瞬時に場の雰囲気を掴み、周りに適
応することについては優れているという意見が多いですね。手がかからない?
わきまえてる?という感じの人材が多いようです。
 逆に自ら、自分の気持ちを話すことは好まないように見えます。たしかに相
手のことを考えずに、自分の気持ちだけを一方的に押し付けることは問題では
ありますが、積極的に発言しすぎて「何だこいつは?」と思うことよりも、表
現そのものが少なすぎて、わかりにくい人が増えているような気がします。

 話がいきなりビジネスリーダーのことに変わりますが、リーダーに求められ
る一つの条件として「信頼」ということが挙げられます。信頼できる人は、わ
かりやすい人であるとも言えます。わかりやすくなるためには、オープンでな
ければなりません。自分の情報、気持ち、感情を正直に伝えることで、相手か
らも正直な情報、気持ち、感情が戻ってくると考えられます。
 また前述の通り、ただ単に自分の気持ち、感情を一方的に話す、押し付ける
だけでは、周囲から信頼を得ることはできません。絶えず、自分の発言、行動
に対して、相手がどのように受け止めるかを考える=感受性も必要であると
言えます。信頼されるリーダーには「オープンである」ことと「感受性」を併
せ持つことが必要であると考えられます。

 若年層の話に戻しますと、最初から信頼されるリーダーに要求されるような
「オープンであること」、「感受性」を持ち合わせるような人材は稀であると
言えます。どちらが先とは言えませんが、恐らく若年層が取り組みやすいのは、
「オープンである」ことではないでしょうか?感受性とは表現した後で、考え
る、気がつくものでもあります。「若さ」の特権を活かして、自分の言葉で、
自分のこと、気持ち、感情を表現することを期待したいですね。と同時に人材
開発を携わる方々、またリーダーと言われる方々に求められているのは、若い
世代、次世代の「オープンさ」を引き出す環境を作ることかもしれません。


             (2003/12/08 人材開発メールニュース第264号掲載)
                         WISEPROJECT:吉次 潤


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