Back Number お客様は誰? 最近若い?何人かの起業家の方とお話する機会がありました。前向きに事業 の取り組んでいこうとする話は元気で、聞いている方も楽しくなります。それ ぞれ自社の事業を説明し、どこが優れている、どこが新しいなど、自分のビジ ネスの特徴を熱く語っていただいたわけですが、たまにもう一つピンと来ない ことがあります。 そのような感じを受ける時に共通するのは、「顧客が見えない、見え難い」 ということです。商品・サービスの特徴はわかるが、顧客(市場)が見えない、 具体的に言えば、誰が利用するのかがわかりにくいという場合です。 様々な企業や組織で「顧客満足を高めよう」「お客様を大事にしよう」「新 しい顧客を増やしていこう」と言われことも多く、経営上の課題、また人材育 成の課題として挙げられています。 恐らくどの組織においても、「顧客満足を高める」「新規顧客を増やす」と と言うことは大事なことであり、組織の中の共通認識として存在していると思 います。しかし、何らかの具他的な目標を設定しなければ、お題目、スローガ ンになってしまい、具体的な行動、行動を通しての成果には結びつかないとも 言えます。 「顧客満足を高める」「新規顧客を開拓する」─顧客に対するテーマは色々 あるかと思いますが、もう少し「顧客について」を考えてみるのも方法の一つ です。 自社の商品・サービスを利用していただいているのが既存顧客だと言えます が、恐らく利用目的は非常に多岐にわたっていると思われます。利用していた だいている意味や期待される役割を細かく見ていくと、顧客も様々な分類がで きるのではないでしょうか?当然、いいお客さんもいれば、そうでもないお客 さんもいます。また時間軸で考えれば、過去−現在−未来で、いいお客さん、 悪いお客さんの意味も異なってくるように思われます。 小さな会社であればあるほど、最初から万人に受け入れられるものを提供す ることは難しいように思われます。顧客を分類して、自社として力を入れる顧 客像を作り上げ、市場に発信していくことも必要です。どんなお客さんのため に商品・サービスを提供するのか、もっと極端な言い方をすれば、顧客から選 択されるのではなく、自ら顧客を選択することも必要であると言えます。 「自分が好きなお客様に、商品・サービスを提供して、喜んでいただき、評 価していただき、正当な対価をいただく」─これこそビジネスの醍醐味である と思われます。 「自分の好きなお客様」が具体的に見えていなければ、組織として顧客満足 を高めることも、新規に顧客を獲得することも難しいことは言うまでもありま せん。(勿論、ラッキーもありますが…) 皆さんは誰のために働いていますか? (2003/11/10 人材開発メールニュース第260号掲載) WISEPROJECT:吉次 潤 Go to Back Number Index Go to Top Page |