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自分に対する質問を考えよう!
  現在若年層や中高年層の雇用対策が取り上げられておりますが、私も就職支
援のお手伝いをいくつか担当させていただいております。就職活動の中では、
就職活動=営業活動という考え方が必要です。売り買いに例えるのは、良くな
いのかもしれませんが、企業(買い手)のニーズを察知し、自分(売り手)の
的確なPRを行うことが重要になります。また満足度の高い転職活動を行うた
めには、やはり「入社することよりも、入社後自分が思い描いていたような仕
事や暮らしができたか」が大事なポイントであり、そのためには、入社後の姿
をできるだけ具体的にイメージすることも大切だと思われます。

 就職支援セミナーの中で、必ず受講者にやっていただく内容の一つとして、
自分に対する質問を考えていただくことを取り入れています。もう少し具体的
に説明しますと、「経営者の立場になって、自分が面接を受けに来たとしたら、
どんな質問をするか?」と言うことをできるだけたくさん考えてもらうように
しています。立場を変えて「採用するかどうかを見極めるためにどんな質問を
するか」、「こんな質問をされたら嫌だなぁー」と思われる質問をできるだけ
たくさん出してもらうようにしています。採用側の立場で自分のことについて
考えると、改めて自分自身に対して気付く点も多いようです。

 これまでのセミナーの状況で言いますと、やはり就職が早く決まる方は、前
述のような作業をした場合、たくさんの質問例を書き出されている方とほぼ一
致しているように見受けられます。面接に限らず、入社後のギャップを減らす
ためにも、場面を創造すること、イメージすることは、非常に大事なことでは
ないでしょうか。

 自分に対する質問を考えることは、就職を考える場面だけでなく、様々な場
面でも活用できます。例えば自分のキャリアについて考える場合、当然自身の
キャリアを自己評価することも大切ですが、相手や周りからどのように見られ
ているか、評価されているかを考えると、キャリアに対する評価の精度が一段
と高くなるように思われます。

 現在は、個人に対して、自分自身のキャリアを自己責任において開発するこ
とが要求される時代です(勿論その機会を提供する組織、企業も必要ですが)。
 言い古されたことではありますが、自分以外の視点から自分自身をできるだ
け客観的に評価しようとする試みることで、新たな発見もできるのではないで
しょうか?


             (2003/10/27 人材開発メールニュース第258号掲載)
                         WISEPROJECT:吉次 潤


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