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部下育成と質問の活用
  部下育成のやり方を見ていると様々なやり方があるように思われます。SL
理論に代表されるように、同じやり方でも通用する相手と通用しない相手があ
ったり、営業活動ではありませんが、やはり相手の状況・ニーズを汲み取りな
がら進めていく必要があると言えます。

 若年層のリーダークラスに多い傾向ですが、後輩の育成を担当する中で一般
的に面倒見がいいといわれるタイプの方は、手取り足取り?後輩に対して丁寧
に教えている方が多いようです。一見親切に教えていることは良いことだと思
われますが、多少行き過ぎた状況になると、教えられた後輩は考える力が備わ
らず、受動的な行動スタイルになってしまうことも少なくありません。

 当然納期など時間がタイトな状況においては、チーム・組織として考えれば、
できる人がパッと仕事した方が早く進むこともあり、部下・後輩に考えさせて
仕事を進めるような雰囲気が少なくなっているようにも思えます。どこかのプ
ロスポーツの監督ではありませんが、育成しながら勝つというのは至難の業だ
と言えます。
 現在のような短期的な業績・結果志向は、部下育成〜部下が育ちにくい環境
をもたらすという弊害も引き起こしているように思えます。(経営者の考え方
次第ですが…。)

 どういう状況であれ、部下・後輩に考える時間、習慣を与えることは非常に
重要です。そのためには部下・後輩に対し頻繁に質問することが有効です。質
問することが、部下・後輩の思考を刺激し、主体的な学習を促すことにつなが
ります。
 また同時に立場関係なく他人の意見・考え・想いを引き出すことで、質問し
た管理者・リーダー自身も考えるきっかけになります。ここでいう質問は正解
を導き出すための質問ではありません(勿論そういう質問もありますが)。質
問することで、お互いの状況を共有する〜「知っている、わかっていること」
と「知らない、わからない」ことをすみ分けすることが必要になります。

 部下育成が思うように進んでいない管理者・リーダーの方は、部下・後輩へ
のアプローチが、指示、命令、結果の評価、おせっかい?、叱責?中心になっ
ているのかもしれません。もっと質問したり、部下・後輩が質問しやすい環境
をつくることも大事ではないでしょうか?


             (2003/09/29 人材開発メールニュース第254号掲載)
                         WISEPROJECT:吉次 潤


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