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「平成14年度能力開発基本調査」を見て
 先週の人材開発NEWSでも紹介いたしましたが、先日、厚生労働省より「平成
14年度能力開発基本調査・結果概要」が発表されました。調査は「企業調査」「従
業員調査」からなり、前者は「教育訓練の実施と外部教育訓練機関の活用」、「キ
ャリア形成支援と情報ニーズ」等、後者は「自己啓発の実施状況と外部教育訓練機
関の活用」、「キャリア形成支援と情報ニーズ」等について調査結果が報告されて
います。
 現在の人材開発のトレンドを確認する資料として、参考にすべき点がたくさんあ
るかと思われます。

▼平成14年度 能力開発基本調査 結果概要
 → http://www.mhlw.go.jp/houdou/2003/06/h0613-4.html

 特に今後の「教育訓練の方針」のところでは、よく言われていることがそのまま
結果として現れています。
 〇「底上げ教育」<「選抜教育」
 〇「本社主導」<「事業部・事業所主導」
 〇「OJT」<「OFF−JT」
 〇「社内」<「外部委託・アウトソーシング」
 〇「企業責任」<「従業員個人責任」

 教育訓練方針、進め方と言う視点で私自身が最近感じることは、以前に比べて年
間の教育スケジュールを決める会社が減ってきたように思われます。(私の周りだ
けなのかもしれませんが)。年間のスケジュールを組まないと言うことではなく、
計画する単位が年間ではなく、半期、4半期ぐらいで見なおしをかける企業が増え
ています。年間の方針は立案するものの詳細なプログラムについては、もう少し短
いスパンで実施の有無も含め検討するようなところが増えているように思われます。
 また、調査結果にも現れていますが、「事業部・事業所主導」、「外部委託・ア
ウトソーシング」にシフトしている、しようとしている企業も増えています。

 ただし、上記のような教育訓練サイクルの短縮化=スピードアップ、また従来の
教育担当部門以外での教育訓練計画の企画・実行が進む中で、役割や責任や権限が
不明確になり、結果何も進まない状況に陥ってしまうケースも多いようです。
 教育訓練に限ったことではありませんが、従来やっていた方法を変更していく過
渡期には、必ずこのような問題が発生します。
 プロジェクト管理的な発想で5W2Hを明確にし、全社の教育担当部門(者)、
各事業の教育担当部門(者)、あるいは外部委託・アウトソーサーも含め、それぞ
れの役割、責任、権限を頻繁に見なおし、絶えず情報が共有されているかを確認す
ることも必要ではないでしょうか。


             (2003/07/14 人材開発メールニュース第244号掲載)
                         WISEPROJECT:吉次 潤


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