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今後必要なビジネスの基礎・基本能力
 先週の人材開発メールニュースでも紹介いたしましたが、先日(社)経済同友会
から「企業の教育・人材に関するアンケート調査」が発表されました。

▼企業の教育・人材に関するアンケート調査
 http://www.doyukai.or.jp/database/teigen/030409_2.pdf 
 ※PDF形式(42KB、結構重たいです)

 経営者と人事担当者それぞれにアンケートを実施したものですが、中でも「ビジ
ネスの基礎・基本能力として今後必要となるもの」という人事担当者へのアンケー
トでは前回(1997年)の調査結果との比較もあり、最近の傾向を確認することがで
きました。
 ちなみに、2002年の調査結果のトップ3は、「問題を発見する力」「行動・実行
力」「常に新しい知識・経験・学力を身につけようとする力」という順番でした。
一方、1997年の調査結果では、「状況に変化に柔軟に対応する力」「コンピュータ
活用能力」「異文化を受容する力」という順番になっています。

[参考:1997年調査結果→2002年調査結果]
 ●問題を発見する力(6位→1位)
 ●行動・実行力(11位→2位)
 ●常に新しい知識・経験・学力を身につけようとする力(7位→3位)
 ●状況に変化に柔軟に対応する力(1位→5位)
 ●コンピュータ活用能力(2位→9位)
 ●異文化を受容する力(3位→14位)

 1997年と2002年の調査では多少設問の内容が異なりますので、純粋に比較できな
いかもしれませんが、それぞれの順位の変動を見ていますと非常に面白い結果にな
っています。
 97年当時では、経営を取り巻く環境変化のスピードが非常に早くなり、変化への
対応・適応が望まれていたように思われます。一方現在は、どのように変化するか
も見え難くなっているため、自ら問題を発見する、まず行動と言うことが期待され
ているという結果が窺えます。

 私も先週新入社員研修を担当する機会がありましたので、早速この調査結果を、
研修に利用してみました。コンセンサス実習のような形で実施したわけですが、私
が思っていた通り?研修に参加していた新入社員の回答は、2002年の調査結果より
も、1997年の結果に近い結果になっていました。

 企業(経営)が考える必要とされる能力と個人が考える必要とされる能力にミス
マッチが生じると、スタートの段階から人材開発が機能しなく恐れがあります。
 当然、各企業各職場において必要とされる基礎・基本能力は異なると思われます
が、「自社、またはこの職場で必要とされる能力は何か?」社員の方々にまず確実
に伝えることが人材開発のスタートではないでしょうか。


             (2003/04/21 人材開発メールニュース第233号掲載)
                         WISEPROJECT:吉次 潤


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