Back Number 人材開発とコラボレーション 今年は本当に一年が早かったような気がします。このワンポイントアドバイスも 今年最後になりました。読者の皆様にはどんな年だったでしょうか? 今年私自身が人材開発の現場で、一番大きく変わったと感じることは「コラボレ ーション」という言葉が定着したということです。以前から「コラボレーション」 という言葉は使用されていましたが、ただ単に流行ということではなく、人材開発 を考える場面においても、選択肢の一つとして「コラボレーション」の重要性が非 常に高まった感じを受けます。 私は、「人材開発」を経営戦略を推進するための「ヒトづくり=体制作り」とい う括りで考えています。勿論個別の研修メニューを企画し、運営するような仕事を 行っていますが、最近は「ヒトづくり=体制作り」をどうするかというところから お手伝いさせていただくことが増えています。 事業計画から要員計画が策定されるように、事業を進めていく上で、既に社内に 保有する人員を見ると必ず不足する部分が発生します。以前は、不足するマンパワ ーを埋めるために、「メンバーを育成する」「外部から採用する」という方法が使 われていました。しかし、数少ないビジネスチャンスに確実に成果を上げる、また できるだけリスクを減らして成果を上げるためには、育成・採用といった社内で保 有する方法だけでなく、外部の資源を有効に使うことの必要性が高まり、以前から 利用されてきたアウトソーシングに加えコラボレーションが多用され、定着するよ うになったと言えます。 場合によっては、社員を育成するよりも外部とコラボレーションした方が有効な 体制を構築できる場面も増えています。そのような提案が人材開発サービスを提供 する我々にも求められています。 事業を進めていくための人材を準備する方法で、社内、社外の資源を含めて、い かに有効な体制を最適に構築するか、人材開発を携わるメンバーに一番要求されて いることではないかと思われます。個別の研修プログラムをどのような構成にする か、どのような内容にするかにおいても、事業に必要な人員(戦う体制)をいかに つくるかという視点がなければ、ただの研修オタク?になってしまうようにも思え ます。 以前からこのワンポイントアドバイスに書いていますが、私は人材のレベルによ って遂行できる戦略・戦術の質と量が決まると考えています。どんなに素晴らしい 戦略や戦術が策定されたとしても、それを遂行するメンバーがいなければ絵に描い た餅でしかありません。そういう意味で確実に経営における人材開発のポジション、 重要度が上がってきているように思えます。 経営を取り巻く環境が激しく変化する中で、事業に必要な人材を準備するために 今迄以上に企業間の連携、企業と人材開発サービスを提供する事業者との連携、人 材開発サービスを提供する事業者同士の連携が求められると思います。「人材開発 ネット★情報BOX」またこの「人材開発メールニュース」もコラボレーションを 強化する、連携を強化するという役割の一助になればと考えております。 今後ともご愛顧の程、よろしくお願いいたします。それでは、皆様良いお年を! (2002/12/23 人材開発メールニュース第217号掲載) WISEPROJECT:吉次 潤 Go to Back Number Index Go to Top Page |