Back Number ソリューション? 先日ソフト業界で営業をしている20代の方とお話する機会がありました。彼曰く、 「うちの会社では、ことあるごとにこれからの営業はソリューションが必要だと叫 ばれています。イメージは分かるんですが、でもソリューションって何なんですか? 今までの営業とどう違うかはっきりわからないんですよ。」社内では当たり前の言 葉として使用されているために周りには聞きづらかったらしく、社外の人間である 私と話す中で素朴な疑問を聞きたくなったようでした。 ソリューション(問題解決)たしかに日常用語になっています。質問された瞬間、 私は彼が素直ないい奴だと思うのと同時に、どうして私に聞くんだとも思いました が、彼の素直な気持ちに応えなければいけないと思い?、とりあえず下記のような 説明をしました。 今までの営業は、顧客側で既に「こうしたい」と言うニーズが明確に存在し、ニ ーズに対応するために「どうするか」という方法論を提供すれば十分でした。極端 な言い方をすれば、言われた通りにサービスを提供すれば十分であったと言えます。 (これもソリューションの一部であると言えます。) ただし現在は、どの会社においても変化のスピードが早く、顧客側でもニーズそ のものがはっきりしないケースがあります。「こうしたい」というものがはっきり とした状態ではなく、顧客側で何をすべきかも迷っているケースも多いといえます。 恐らくソリューションは前述の顧客の要求に併せてという部分に加えて、顧客と共 に問題を明らかにし、「こうしたい」という方向性を明示し「どうするか」を提供 することであったり、また「どうするか」を提供する中で顧客に「こうすればいい んだ」と気づかせるようなことであると思われます。 もう少しまとめて言えば、顧客が要求するものを提供するだけでなく、顧客が喜 ぶ(=期待を超える)ものを提供することであると言えます。 そう考えると、ソリューションで大事なのは、顧客の置かれている状況や顧客の 期待のレベルを知ることが必要になります。顧客からの自社(自分)に対する期待 や評価を知ることも必要になると言えます。また、何よりも大事ななのは、顧客と 問題を共有することであり、そのためには顧客を知る、顧客とより深い関係を築く ことが必要になります。 ソリューションの話題が出る場合、社内で保有するナレッジをどう活用するかと セットで話題になるケースが多いような気がしますが、たまに顧客の姿が見えない 状態でナレッジをどうするかと言う話が進んでいることもあるように思われます。 多くの企業でグループウェアの活用などナレッジマネジメントをシステムとして 導入しようとする動きが増えています。その効果を否定するわけではありませんが、 営業マンが集まって顧客研究や業界研究を行ったり、コミュニケーションスキルを 磨いた方がより売上に直結する余地も残されているような気もします。 「ソリューション」という言葉は、今では業界関係なくビジネスの現場で使用され ています。みなさんのところでは、ソリューションはどういう意味付けをされてい ますか? (2002/09/24 人材開発メールニュース第204号掲載) WISEPROJECT:吉次 潤 Go to Back Number Index Go to Top Page |