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新年のご挨拶〜もはや不況ではない
 今年最初のワンポイント・アドバイスです。

 私が住んでる九州・福岡では、九州最大手スーパーの寿屋が民事再生法の手続き
を開始し、正社員全員をいったん解雇することなどを柱とした再生計画を発表した
り、経営再建中のダイエーが福岡事業の3点セット、ダイエーホークス、福岡ドー
ム、シーホークホテル&リゾートの株式売却について騒がれるなど、新年早々今年
も大変な一年になると予感させるようなニュースが次々と流れています。

 最初から暗い話題もあまり良くないかと思われますが、どこにいっても「不況」
という言葉が頻繁に飛び交っています。ただし、人材開発の現場も含め気になるこ
とが一つあります。それは、「不況」と言う言葉が、できなった理由として使用さ
れていることが増えていることです。「不況だから…」「業績が回復しないと…」
と言う言葉で、あまりにも簡単に先送りされたしているものが多いような気がしま
す。恐らく、まだ心のどこかで、誰かが景気を回復させてくれる、それをじっと待
っているというのも多いのではないでしょうか。たしかに、「景気が悪い」という
ことは問題であり、その対策は必要であるかと思いますが、「良くなるのを待って
いる」と言うのは、やはり受身としか言わざるを得ません。

 「不況」ではなく、時代が変わったという発想への転換が必要です。今現在の企
業環境を取り巻く状況は「不況」ではなく、これからずっと、今現在の状況がベー
スになって、企業経営を進めていかなければならないと考えるべきです。今が悪い
のではなく、この先ずっとこの条件の中でやっていかなければいけない、今がベー
スであると言い切った方が、色んな場面で新しい考えや取り組みが行われるのでは
ないかと思われます。
 「良くなるのを待ってる」ではなく、「これからはこういう時代だ、この時代に
企業経営を進めていくためには何をしなければいけない」と考えたほうが、いろい
ろなアイデアとアクションが増えてくるの間違いないと言えます。逆に言えば、今
最も注意しなければならないのは、「不況」という言葉に遮られ、アイデアとアク
ションの絶対数が不足している、不足しても仕方がないという雰囲気になっている
ことではないでしょうか。

 人材開発を経営戦略を推進するための人づくりと考えた場合、前述のような発想
の転換を全社的に促す役割は人材開発担当部門、担当者の方の大きな使命のひとつ
になると思われます。発想の転換を促すために何をやるかということを真剣に考え
る場面が間違いなく増えてくると思われます。
 私も、今年は自分の周りで「不況」と言う言葉を聞く機会をできるだけ減らして
いきたいと考えておりますし、人材開発の場面でそのために必要なことを読者の皆
様と一緒に考えて行きたいと思います。
 今年もよろしくお願いいたしします。


             (2002/01/14 人材開発メールニュース第170号掲載)
                         WISEPROJECT:吉次 潤


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