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企業における教育訓練経歴と研修ニーズに関する調査
○教育訓練に熱心な大企業ホワイトカラ−、最近2年間で6割が社内研修に参加
−「企業における教育訓練経歴と研修ニーズに関する調査」より

 平成10年9月24日、日本労働研究機構より、「企業における教育訓練経歴と
研修ニーズに関する調査」の結果が発表された。
 これまでの教育訓練の調査では、企業や事業所を対象としたものがほとんどであっ
たが、今回の調査では、実際に教育訓練を受ける立場にある民間企業(大企業)の
ホワイトカラー個人を対象に、教育訓練経歴とその効果について調査を実施してい
ることが特徴になっている。

  今回の調査では以下の項目について、調査結果が報告されている。
 1.ホワイトカラーが感じる教育訓練ニーズ
 2.教育訓練の受講概況
   1)受講状況と研修期間
   2)受講の目的
   3)社内研修及び社外研修の受講の特徴
   4)通信教育及び自主的勉強会の受講の特徴
 3.OJTの方法
   1)OJTの方法(現在の状況)
   2)OJTの最も効果的な方法(あるべき姿)
 4.研修に対する希望
   1)会社に対する研修希望
   2)社外教育訓練機関に対する利用ニーズ

 特に今回の調査で興味深かった点は、「会社に対する研修希望」に関する調査結
果である。企業の教育訓練施策に関する個人の要望は、職位が高いほど(管理者)
ほど「階層別研修の充実」と「職能別研修の充実」の回答が多く、職位が低いほど
「自己啓発への金銭的援助の強化」,「自己啓発への時間的配慮」,「有給教育訓
練休暇制度の導入」の回答が増えている。
 上位職位者ほど、教育訓練施策に「組織としてのパフォーマンス向上」を求めて
いるのに対し、下位の職位者ほど「個人としてのパフォーマンス向上」を求めてい
ると言える。

 人材開発担当者は、企業の人材開発方針・施策に多様化する教育ニーズの整合を
図っていかなければならない。教育投資をどの階層に重点的に行うかは、企業によっ
て異なるが、教育訓練施策の策定段階で、何を優先するかを決める際に、今回の調
査結果および調査項目は、十分に参考になると言える。

 ◇本調査については下記URLを参照してください。
  http://www.jil.go.jp/happyou/980924_01_jil/980924_01_jil.html


             (1998/10/05 人材開発メールニュース第8号掲載)
                         WISEPROJECT:吉次 潤


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